3月31日(土) 平(晴後曇り) 中潮
前回の上佐波賀で釣れていたら、ボウズ覚悟で大丹生に行こうかと思っていたが大撃沈であったため、昨年のこの時期、よい釣りのできた平に行くことにした。午前3時50分頃自宅を出発し、黒鯛釣り具でボケ20匹とシラサ1杯を購入、さらに大浦釣り具で団子(小)とオキアミを買った。合計3400円。出船は5時45分。船頭さんは岸よりの筏にするかと聞いてくれたが、昨年と同じ沖側の佐波賀よりの筏にのった。釣り座はこれまた昨年同様、隣の筏向きにかまえた。
まずはクーラーより牡蠣を取り出す。月曜日に上佐波賀から持って帰ったものだ。「もう牡蠣を見たくない。」と思うほど食べたが、30個ほど余ったので、ぬれ新聞に包んでクーラーに入れておいた。氷も入れずにほったらかしておいたのだが、7割は生きていた。フタの開いたものを5個潰して撒いた。仕掛けを作って第1投は牡蠣で落とし込んだ。着底したが変化はない。もともと、釣り人もほとんど入っていないし、牡蠣の餌に慣れているとも思えなかったので、期待はしてなかった。ところが、2分ほど経過した頃、アタリが出始めた。コチョコチョアタリだ。「え!チヌか?」この冬、何度かかけたアタリと同じに思えたので、一呼吸待ってあわせてみた。「かかったー、おーー、引くぞ。でかいかー」かけた時は年無しだと思ったが、中層からはすんなり上がってきた。平は水深が浅い分、強く感じたのか、思ったほどは大きくなかったが40pオーバーの良型だった。いきなりで緊張したが、とれてほっとした。「牡蠣でいきなりか。これはもらったか!」とりあえず、写真をとった。
第2投も牡蠣。アタリを期待したが無反応。牡蠣やボケ、シラサなどを繰り返し落とし込むが一切アタリはない。7時頃からは筏周りを落とし込む。昨年はこの方法でアタリがでたが、ダメだった。7時半頃に再び釣り座にもどる。もどってしばらくすると潮が強く流れだした。リールから糸が出ていく。どうも流れすぎると釣れる気が薄れてくる。餌はこまめにローテーションした。9時までの間に2回、シラサが尻尾だけになった。アタリはわからなかったが、チヌだったかもしれない。オキアミもボケも牡蠣も全くとられない。牡蠣やイガイ、団子を定期的に投入するも変化は感じられない。時間だけが刻々と過ぎていった。「いかんなあ〜、このままでは隅一や・・・。」
何の打開策も思いつかないまま時刻は11時半になった。このころから、気圧の谷が近づいてきたようで曇ってきた。潮は方向を変えながら、常に強く流れている。13時頃からは晴れ間が見えて暖かくなってきたのだが、風が強くなって更に釣りづらい状況になった。。13時半、とうとう戦意が低下し眠たくなってしまい、横になった。「勝負は夕方や・・・。」14時、ゴーゴーという風の音で目が覚めた。寝ぼけたまま釣り座に戻る。すると見る間に荒れてきた。暇なので筏周りの白波を撮った。
しかし、そんな余裕も5分もするうちになくなってしまった。強風とその揺れのため、立つことさえままならない。サーフィン状態だ。「のってけ、のってけ、のってけ、サーフィン。な〜みに、な〜みに、な〜みにのれのれ。」とぶつぶつ独り言を言いながらただゆられていた。「これでは、船も呼べへんし。どうしよ。これから更に天気は下り坂や・・・。」「のってけ、のってけ・・・。」 と歌うしかなかった。
14時半過ぎ、大荒れの中、こちらに小舟が向かっていた。船頭さんが迎えに来た。船頭さんは筏近くに船を止め、「風がますます強なるけんど、夕方までやるか?」と聞いてくれた。その間にも船頭さんは船尾に当たった波しぶき頭から何度もかぶられた。もちろん、すぐに撤退を決意した。船もなかなか筏に横付けできないような状態の中、とりあえず、ゴミから道具から何もかもを船に投げ込んで乗った。船着き場も簡素なものだったので、船から降りるのも大変でやっと3時前に陸にあがれた。「船頭さんのおかげで助かった・・・。あのままあと3時間はつらかったし、ほんとに感謝や。」
チヌの写真を撮って、後かたづけを終えて車に戻ろうとすると、ふと道路脇の小さなお地蔵さんが目に入った。お地蔵さんに手を合わした後、荷物を車に運んだ。車に乗り込むと風を感じないため、暖かく春爛漫という感覚になり、このままお花見にでも行きたい気分になった。「この時期、1枚釣れたらよしとせなあかん。なんか楽しめなかったけど仕方ないな。平、4月中旬くらいがよいのと違うかな。まだ、乗っ込んでない気がする。」そんなことを考えながら、春の舞鶴を後にした。
釣果:1枚(43p)