5月26日(土) 平(晴れ) 長潮
今回は産卵後、岸際から離れていくチヌを長竿で狙い撃ちという計画で平に行くことにした。しかし、前日布団の中で考えた。「短竿の引きも味わいたいし、ウキが沈むのもみたい・・・。どうしたものか。」過去に何度も失敗しているが、両天秤になるのは自分でもわかった。要はどちらを先にやるかというだけの問題だった。それをうだうだ考えながら眠りについた。
当日は2時半に起床し、出発した。黒鯛釣り具に到着し、ボケ20、オキアミ小ブロック、サナギ、丸貝大袋を購入した。久しぶりにマスターにお会いし、しばらく雑談をしたあと、店を出た。大浦釣り具には4時20分頃到着。団子の中を購入して渡船代の支払いを済ませた。渡船場には4時半頃到着し、荷物を運んでおじさんが出てこられるのを待つことにした。5時頃かなと思っていると、4時40分に早くも出てこられ、4時45分出船となった。降りた筏は岸よりの一番渡船場寄りだった。海は前日の大雨の影響で濁りが入ってよい感じだった。まずはやっぱり短竿でやることにした。ボケで落とし込む。反応なし。何度か落とし込むがダメ。オキアミも同様。「なんにもおらん・・・。」ならば団子投入。「餌取りも寄ってこない。」30分ほど経過したが、全く生命反応がなく暇なので、長竿をセットした。底から50pほど切ってウキ下をあわせ、10メートルほど前方にポイントをつくった。第1投。こちらも反応がない。3分ほど経過したころ、突然ウキが消し込んだ。「お!」と思い、アワセを入れようとした瞬間、ウキが浮いてきた。「・・・、チヌじゃないな〜。」でも、早々にアタリがあったので、期待が持てる。しかしながら、その後はアタリがでない。ウキ下を今度は若干はわせてみた。すると、チョコチョコしたアタリがでる。相当待つとウキが沈んだが、上がってきたのはハゼだった。短竿の方は、オキアミで小型カレイが釣れた以外は、餌は全くとられない。イガイや丸貝を時々上撒きし、たまに団子も投入して、ポイントをつくるようにはした。2カ所に団子を投入したので、団子の消費は早かった。相変わらず、長竿はハゼしかつれない。「全然だめっぽい。底に魚がいない。どういうこと・・・。長竿か短竿、チヌらしきアタリがどちらかに出れば、そっちに集中しよう。」
7時半頃からは長竿はオキアミ、短竿は丸貝にした。すると8時頃、全く反応のなかった短竿にかすかなアタリがでた。チョン・・・、チョン・・・、チョン・・・、と間隔の空いた極小アタリがあるが全くアワセどころがなかった。「何?」あげてみると丸貝が無くなっていた。「うん?チヌ?いや、とれたのかも・・・。」もう一度、丸貝を落とし込む。着底後しばらくしてアタリ。コチョコチョさわった後、少し穂先が入った。「よっしゃ!」空振りだった。「あれ・・・、今のはあわせたと思ったけど。」もう一度丸貝を落とし込む。穂先を凝視する。すると今度は1度目と同じアタリがでる。チヌの可能性が高いと考えたが、またもあわせることなくとられてしまう。「うーーん、1回目のチョンであわせるか。でも、その後も同じアタリがあるということは、1回目のチョンでとられているわけではない。それにしても、チヌがあんな極小アタリなのか。そう言えば、この時期は微細なチヌアタリが丸貝にでることもある。食い慣れてなくて食べるのが下手?」そんなことを考えて、また落とし込むが今度は反応がでない。しばらく反応がないので、団子を投入。するとアタリがでる。回収すると今度は餌がある。それからは団子にも反応が出だしたが、チヌではなさそうだった。ボラかコノシロがいる。その後もオキアミやボケには反応がないが、丸貝やイガイは触ってくる。でも餌はある。9時頃丸貝に少し大きな反応。あわせるとアワセ切れした。ラインがザラザラだった。「フグか?根ずれ?」最初はチヌの可能性が高いと思ったが、だんだん自信がなくなってきた。「フグなら、オキアミやボケにアタリそうやけど。」混乱しながらも、オキアミやボケには反応しないが、丸貝には反応するという偏った食性はチヌだと思って、丸貝で粘った。
9時半、投入後しばらくしても丸貝に反応がない。すぐに追加団子投入。誘いあげる。団子の効果か、誘ったためかわからないが、穂先に小さなアタリ。穂先がほんの少し下がった。極小アタリばっかりだったので、思い切ってあわせた。グンと竿に重量感を感じた。「あれ、根掛かり?チヌやろ!おお、引くぞ!チヌや。」久しぶりのチヌの引き。しかも強い。良型を確信する。何とか釣り上げたい。無我夢中。魚が見えた。「おおー、でかい!」タモ入れも成功した。「やっぱりチヌやったんか!」写真を撮った。「いい時間に釣れた。今日はいけるかも。」
小さなアタリをとらえ、しかもチヌがいることがわかったので、俄然集中力はあがったが、1枚釣れた後は極小アタリもでない。当然、餌はなくならない。時合いが終わってしまったようだ。何もいない。本当に何もいない。しかし、この時間帯に釣れた時は何回か時合いがあることが多いのでがんばった。11時頃からは風がでてきた。気温は高いので寒くはないが、釣りにくい。8時頃より放置していた長竿は片付けた。あまりの暇に眠気が襲ってきた。13時睡眠。13時20分、がじろうさんのメールで起き、もう一度がんばる。黄砂の影響で風景がかすんでいる。北京ももうすぐ砂漠に飲み込まれてしまうのか・・・。
今年は過去2回とも平では早上がりをしているので、18時まで粘ったが何の盛り上がりもないまま終わってしまった。当日は衝突で釣れたのではなく、魚の気配を感じ、しかも丸貝で釣れたので、長時間の釣りに疲労したことは確かだが収穫はあった。収穫と言っても、これから丸貝とサナギをメインにする決心がつき、餌代がけちれるということだが。筏から上がるとがじろうさんが来てくれた。がじろうさんによると当日は、大丹生に1人、上に2人、下に4人の釣り人がいたらしい。筏釣りにはまだまだ厳しい季節ということだろう。また、しばらく休眠状態だったがじろうさんの活動も本格化するそうである。うれしいことだ。更に次回のがじろうさんの釣行結果は「覚悟」しないといけないことも聞いた。「すぐに続きます!」と返答した。夏の風を感じながら平を後にした。
釣ったチヌの腹からは、1,2個のイガイと数個の丸貝がでてきた。
釣果:1枚(47p)