1月20日(土)     上佐波賀(晴れ)  大潮

 今回も牡蠣での釣りがしたかった。大丹生と吉田、どちらにしようかと考え、牡蠣をたくさん融通してもらえそうな大丹生に木曜日の夜電話してみた。ところが、都合で土曜日は休業するとのことだった。大丹生に電話した時点で、吉田に行く気は消えていたので、上佐波賀に電話した。最近の状況を聞くと、牡蠣を引き上げだしてから、ぼつぼつ食いだしたらしい。おじさんに牡蠣を売ってもらえないかと相談すると、大丈夫という返答だった。上佐波賀に行くことにした。土曜日の筏の予約状況を聞くと1番だけ入っているそうだ。「何番が、いいですか?」「う〜ん、3番か、16番か、18かな〜」「いつもの番号やな〜。うーん、どうしよ・・・。」「おじさんは何番がよいと思う?」「18番がよいかも。」「じゃあ、18番に入れて。」

 当日は5時前に起床し、5時過ぎに出発した。黒鯛釣具店に到着すると、「舞鶴湾筏の春夏秋冬」の管理人のIさんがおられ、挨拶を交わした。マスターにお客さんの多さを聞くと、天気予報はよいので多いかと思ったが、多少多い程度らしい。「そうかもな・・・、冬に筏釣りする人は限られているかも。今日は店にはIさんしかおられなかったし、前回の大丹生筏は外道専門さんと二人やった。知り合いだけ。」Iさんが店を出られた3分後くらいに私も店を後にした。市内に入ると前のIさんの車が吉野家に入って行った。夜が明けかけていたので、先を急ごうかと思っていたが、私もなか卯でうどんを食べた。上佐波賀に到着したのは7時過ぎ、ちょうどお一人が出船するところだった。船着き場のイガイと小さな牡蠣を撒き餌用に桶に一杯とり、おじさんに牡蠣、500円分を持ってきてもらうように頼み、2番船で出船した。その他の餌は、シラサ2杯、アオイソメ500円、オキアミ。牡蠣とあわせて3000円。

 筏に到着すると、イガイをひとつかみパラパラ撒いた後、仕掛けを作り8Bでアオイソメを落とし込む。すぐにアタリがあるが、乗らない。2投目で釣れてきたのはチャリコだった。今度はシラサに代えると、25pほどのアイナメ。牡蠣でやると針ごとなくなった。フグ。朝一より活性は高い。岸向きの面を移動してみるが、小さなアタリは結構でる。潮は終始動き、色も濁りがありよい感じに思える。吉田はアタリ餌が固定されている思いこみがあり、餌や釣り方に不安があるが、上のチヌはいろんなもので釣れるはずという気持ちがあるので、尚更釣れそうに感じた。朝一の外道の高活性が一段落した9時50分、シラサにチョンチョンコツと小さなアタリ。あわすと手応え。「おお、チヌか?チヌやと思うけど・・・。」魚影が海面下に見えた。「チヌや!でもちょっと小さいけど。」30pほどのやせたチヌだったが、今年の初チヌだったので、うれしかった。記念撮影をした。



 小さくても1枚釣れるときっとまだチヌがいると思えるので、余裕ができる。しかし、アタリは連続ではでなかった。イガイを撒き、シラサを底撒きするが、変化がでないので、30分ほど筏の裏面で探り釣りを行う。再び釣り座にもどったのは11時だった。エビブクより脱走していた巨シラサを発見し、投入した。投入後しばらくして、チョンチョンクイというこれまた細かいアタリにあわせた。すると思いも寄らない重い手応え。シラサにくるチヌは小さいという油断もあり、びっくりした。全然巻くことができない。「でかい!」しばらくするとチヌは筏下に突っ込もうとする。「どうしよ・・・。この状態で上げてくるとおそらくロープに絡む。なんとか方向を変えられないか・・・。」躊躇しているとチヌは更にすごい力で、筏下に入る。じりじり糸がでてしまう。「まずいな〜。」巨チヌをかけると、冷静さを失うのだが、今回はなぜか落ち着いている。このままでは、どうせやられると思い巻き上げるが、少し巻いたところで魚の引きが弱まった。「ロープか?」そして次の瞬間切れた。「あ〜あ、やっちゃった。あれはとれんわ・・・。仕方ない。方向代えるなんて無理やし、運にまかせてガンガン巻くべきだったかな〜。」巨チヌをばらすと、釣り上げた時以上に動揺するのだが、今回は落ち込まなかった。なんとなく、まだチャンスがあるように思えた。冷静なのはよいが、冷静な自分が少し残念だった。「興奮しなかったら、釣りがおもしろくなくなる。」

 その後はシラサを底撒きしたり、おじさんが持ってきてくれた牡蠣を掃除し、小さなイガイや細かなゴミを撒いたりしながら時間を過ごした。餌はシラサと牡蠣を半々につけた。シラサで小型のアイナメが数匹釣れた。牡蠣にはあまりアタリはない。時々フグが針ごと持っていく。堅い部分に2回ぐらい巻くことによって、餌付けも工夫した。12時20分、小型の牡蠣にアタリ。フグと大差ないが、チョンチョンしながら、若干押さえた。あわしてみた。「かかった。うん・・・。動かない。根掛かりか。おおおーーー」猛烈に引き始めた。魚は左後ろに走った。釣り座は筏左にとっていたので、ロープはない。今度はガンガン巻こうとするが、時々糸がでる。「二回連続、大バラシはいやや。」魚は何度も抵抗したが、中層ぐらいからはあまり抵抗なく上がってくる。もうそろそろかと思って、左後方に顔を向けると目に入ったのはユラ〜と浮いてきた巨チヌだった。「すくえるぞ!」尻手ロープが邪魔だったが、立ち上がって一歩左に動き、タモを持ったが落としてしまった。しかし運良く筏隅にひかかった。再び持ち直してすくった。「よっしゃーーーー!やったやった。でかいの釣れた!」写真を撮り、検寸すると50pジャストだった。「でかいのまだ、結構いるかも。やっぱり大チヌとのやりとりはいいな。」


 
 1時間に1回ペースでアタリがあることを期待したが、それ以後は外道の活性も全く落ちてアタリがない。夕方の時合いを目指して粘るも気配はない。2時になり、3時が過ぎた。「潮が悪くなったのかな〜。」気分を変えるため、探り釣りを開始。最近はダメだと、釣り座を離れることに抵抗がなくなった。それがよいかどうかはわからないが、気分的にはばらした時などは特に楽だ。「魚が散ったと思えば、釣り座を放棄したらよい。」と思えるから。諦めムードでやるより楽しめる。4メートル半ほど移動して右隅でシラサを落とし込む。着底後、すぐモゾモゾとあたる。すると突然穂先が突き刺さった。「うお。」乗った。上がってきたのは30p後半のチヌだった。調子にのって筏周りをすべてさぐればよかったのかもしれないが、ラストの1時間は元の釣り座でやってみたが、潮が飛び出してアタリなく5時納竿した。当日の状況であるが、1,3番ではチヌは上がらなかったようだが、6番で鯵釣りをされていた方が鯵釣りの仕掛けでチヌを釣られていた。0.8号のハリスで上げられたチヌは50pの年無しだった。「0.8号で年無し・・・、しかも舞鶴で・・・。」よくはわからないが、検寸は私に頼まれたので、確かに年無しだった。

 今回は念願の牡蠣での1枚が運良く年無しだった。次回の釣行も自分なりの課題を持って釣りを楽しんでいきたい。初チヌは、撮影後海にしばらくつけていると、自力で私の手の中から泳いでいった。

      

釣果:3枚(50,36.5,32.5)