10月7日(日) 長浜(晴) 若潮
釣りに行くため、仕事を早く片づけようとがんばった。なんとか、日曜日か月曜日に釣行は可能になったのだが、行きたい釣り場も考えられないで、しかも風邪をひき喉と鼻をやられてしまった。思考力・決断力が低下気味だったので、土曜日にがじろうさんにメールすると日曜日に付き合ってくれると言う返事をもらった。うれしいことだ。場所もがじろうさんにきめてもらい、長浜に行くことにした。
当日は3時半過ぎに自宅を出発した。交通量が多い。案の定、黒鯛釣り具でも車があふれている。そそくさと団子(大)、サナギ、オキアミ、丸貝小袋1.アケミ小袋1を購入し、店を後にした。途中も車が数珠繋ぎ。「今日は釣り人多いな〜。」厳しい釣りになるのを覚悟した。一人ならたぶん上佐波賀に行ったと思うが、この人の多さなら、がじろうさんの予約してくれた長浜の手前の筏が正解だったと思った。
長浜には5時過ぎに到着した。しばらくしてがじろうさん登場。釣り人は20人以上はいる。グループの方が多かった。我々2人は5時半過ぎ、1番船で出船した。手前の筏に降りると、残りの方はすべて雁又に行かれた。筏群に我々だけ。2番船が来るまでの一瞬だが、夜明けの雰囲気を楽しみながら、新鮮な気持ちになった。東の筏に向いて、がじろうさんが左、私が右に釣り座をとって釣りを開始した。ちょうど2番船が筏群に到着した頃、アケミ貝の中から小型のものを選び、落とし込む。反応はない。放置したり上に誘いあげたりしながら5分ほど経過。再び放置する。「う〜ん、アタリがでないな。アピールするか。」丸貝の中からハリにさせない小型を7個ほど上撒きする。ちょうど、上撒きが着底するころ、チョンチョンとアタリがでた。「うお、あたってる!」最初のアタリの後すぐに、コンコンとアタリ、その後にでた、コンコンであわせた。「のったー!」結構引く。久しぶりのチヌとのやり取り。なんとか取りたい一心で巻く。最後に少し右に左に走られて、ヒヤッとしたが無事にすくった。やせたチヌだったが、40前後の良型だった。「1枚釣れた〜。」ほっとした。続いてアケミ貝の中から小型を選び、再び落とし込む。反応はない。4,5分粘ったが、当たらないので今度は丸貝を刺して落とし込む。誘ったりするが反応はない。「う〜ん、あの1発で終わりかな・・・。」と考えながら、しばらく穂先を見ているとアタリがでた。連続して小さなアタリがでているので、チヌだと思った。竿でついていきながら合わせるタイミングをはかるが、潮が筏下に流れ込み、更に筏から海面までの高さがないので、穂先がすぐに海面につかる状態となってしまった。これ以上ついていってもアタリがわからないと思ったので、適当なタイミングであわせた。確かな手応え!「よし、かかったぞ。うーーん、強い。」魚はまっしぐらに筏下に突っ込む。糸を出さずに耐えるが、竿は半分海中に引きずり込まれた。「こら、あかんかも・・・。」何とか1度目の締め込みに耐え、多少巻き上げるも、2度目の強烈な突っ込み。その時違和感が伝わってきた。「ロープに絡んだ。」2度目にも耐えたが、3度目の締め込み。「あ〜、これでたぶん切れるな・・・。」 ところが、その締め込みにも糸は耐えている。「うん?なぜ・・・。」3度目の突っ込みの後はすんなり上がってくる。しかも不思議なことにロープの違和感はあるのだが、糸が巻ける。「え・・・、何で巻けるんや?もしかして上げられるのか?」しかし、そんな話しはなく、後少しというところでとうとう巻けなくなった。ところがまだ魚は付いている。糸をゆるめたりするがはずれる気配はない。「どうすべきか?」と考えているとがじろうさんが来てくれた。「ロープにからんだ。」「結構上で絡んでるようなので、ロープあげましょか?」「うん、お願い。」がじろうさんが1本目のロープを上げる。「それと違う。糸がたるまへん。」がじろうさんが2本目を引き上げ始めると糸がたるんだ。「それそれ!」「魚いませんよ?付いてますか?」「うん、付いてると思うんやけど。」しばらくして「いたー。チヌがついてる。」とがじろうさんの声。竿を置いてタモを構えるが、どこにいるのかわからない。がじろうさんに言われてチヌをやっと見つける。ロープより1メール弱離れた所にいる。 良型だ。あせってタモを入れるがチヌが驚いて暴れ、すくい損ねた。一瞬チヌが見えなくなった。切れたと思った。しかし、再びチヌをがじろうさんが発見してくれる。またしてもタモ入れに驚いてチヌが逃げた。今度はタモを海中に入れたままで、チヌを探す。「和田さん、いますよ。タモのすぐ上!」自分の構えているちょっと先にいた。下からやっとすくい上げた。「よっしゃ!」どう考えても釣ったとは言い難かったが、なぜか妙に興奮した。がじろうさんが、指を切ってまでロープを引き上げてくれたおかげでとれた1枚なので、釣ったことにすることにした。またハリスが切れなかったのはハリスが巻いた箇所に牡蠣もイガイも付いていなかったからだった。高水温のおかげかも。6時10分頃のことだった。
さすがにばたばたしてしまったので、その後はアタリはでない。1枚目のチヌはハリをのんでいたし、2枚目も意外と早くきた。予想に反してもしかしたら活性が高いかもと思ったので、早めに落とし込みを切り上げ、6時半、団子を投入した。団子を投入すると外道の活性が上がる思っていたが、それほどでもない。サナギは多少カワハギに突かれるが、原型はとどめている。オキアミもすぐにはやられない。前の筏では女性がサビキで良型アジを釣っていたので、アジもいるのだろうが底にはいない。粘り強く打ち返すが状況は何時間たってもほとんど同じ。中心の餌はアタリがなくても、丸貝とサナギを付けたが、反応がなく、とても退屈だった。外道でいいからサナギに反応して欲しかった。アジを爆釣する女性が楽しそうに見えてならなかった。がじろうさんと何度も顔を見合わせて苦笑いした。前日、オッチャンさんがオキアミで釣られたことは聞いていたが、オキアミでは見たこともない小魚とチャリコが釣れるだけで、サナギや丸貝で待つ釣りよりしんどい。頭では活性の低さからするとオキアミなどの柔らかい餌がいいのかもとわかっても、続けられなかった。オキアミでの釣りをオッチャンさんにいつか教えてもらおうと思った。あと、ボラは時々登場したが、中層でたまたま団子を見つけたのが、降りてきて突くような感じで、単発的にあたるため、ハリス団子で放り込むことが多い私にとってはやっかいだった。
結局納竿までの11時間弱、一度のアタリもだすことなく終わってしまった。いやもしかしたら何度かサナギがかじられたので、それがチヌだった可能性はあるが、私にはあわせられるようなものでなかった。がじろうさんですら、アタリをだせなかったのだから仕方ないと諦めるしかない状況だったと思う。当日であるが雁又では7,8人おられたと思うが、船頭さんによれば全滅だったそうだ。また、手前の筏群には私達をのぞき、全部の筏とカセに15人ほどおられたが、あがっている様子はなかった。私は乗った筏と座った場所のおかげで、チヌの顔が久しぶりにみられたことは幸運だった。しかし、厳しい日が多い。なかなか釣れないからおもしろいのかもしれないが、アタリの多い日にあたりたいものだ。あまりに厳しいと工夫してもそれが正解なのかそうでないのかすらわからない気がする。がじろうさんと別れ、まだ明るい舞鶴をあとにした。がじろうさんのおかげで、厳しいなりに楽しく過ごせることができた1日だった。
釣果:2枚(44・42p)