11月11日(日)   日向湖(雨後曇り)    大潮

 今回の黒逢杯は日向湖で開催されることになった。あいにく釣果の方は厳しい状態が続いているようだったが、そんなことは大きな問題ではなかった。それよりもせっかくの大会なので、天気が心配だった。予報では波の高さが1.5メートルから4メートルに上がるとなっていた。「もしかして大荒れ・・・。」しかし、出発時の2時45分は京都では無風状態だったので、なんとかなりそうに感じた。途中黒鯛釣り具店で、団子(小)、丸貝、サナギ、シラサ1杯を購入。一路美浜に向かう。釣りに行く時は安全運転に心掛けているが、当日は更に気を付けた。「事故ったら釣りできひんし。」ところが、あまりの安全走行のため、現地付近に到着したのは集合時間の5時半となっていた。おまけに渡船場が見つからず、更に時間をくってしまい、渡船屋への到着は5時45分になってしまった。他のメンバーはみなさんおそろいで遅刻してしまった。前日の山さん邸での前夜祭から参加されているメンバーもおり、和んだ雰囲気だった。6時過ぎに出船。私は朝やんさんと3号筏に乗った。日向湖は思ったより小さな湖で、筏は岸寄りに一列に12台並んでいた。穏やかで風には強そうな雰囲気のある釣り場だった。

     
(写真は納竿時に撮影したものです。)

 まずは落とし込みから始めた。丸貝には反応がない。次はサナギ。触ったような気がしてあわせるとバリコのスレだった。シラサでやると細かいアタリで取られた。外道の活性は高そうだったが、チヌの気配はない。厳しいと聞いていたので、朝一勝負で早々に筏周辺を探るが、アタリはでない。40分ほど落とし込みをやってみたが、バリコとチャリコの極小サイズしかいないようだったので、団子を投入した。このころから早くも天気が崩れてきた。雨と風がセットだ。時々雨は強く降り、風も強く吹いた。防寒対策はしてきたつもりだったが、寒い。どんどん体力が奪われていく。救いは朝やんさんがいてくれたので、いろいろ話せて、悪天候を笑いに代えられたことだった。このままの天候が続けば、もたないなと感じたが幸い10時頃からは、天気は回復に向かい、昼過ぎには雨は完全にやんだ。海の状況はというと10時20分に1度だけ丸貝が潰れて上がってきた意外は全くだめで、アタリはでなかった。シラサでやると外道にやられるが、活性は朝より低下していた。十分シラサで通せる状態だったが、状況的に通りすがりの一発狙いだと思ったので、基本は丸貝とサナギでやった。結局、納竿の16時まで、いろいろやってはみたが1度も緊張した場面はなかった。朝やんさんも隣の筏のグッチーさんも私以上に根気強く釣られていたが、やはりアタリはなかったようだった。状況は終日厳しかったが、時間の経過は終わってみると早く感じた。これが仲間と一緒に竿をだせる良さだと思った。
 
 当日の最終的な結果だが、黒逢会11人がかりで上がったチヌはベッチーさんの1枚だけだった。エビブクの中で悠然と泳ぐ優勝魚をみんなで鑑賞した。優勝魚の体調を考慮して、誰も検寸しようとはしなかった。なかでも釣られたベッチーさんが、優勝魚に一番気を遣っておられ、つかの間の不自由を紛らわすためにエビブク中には赤い彼女も一緒に入っていた。そして早々に海に戻されていた。私はチヌを釣って、結果的には食べてしまう。でも、チヌという魚が好きだ。だからベッチーさんの行為はさすがチャンピオンだと思った。

 その後、閉会式があった。景品台の上を見て、思わず目が釘付けになった。何本もの自作竿やビールなど大量の景品があった。参加者の持ち寄りでまかなうと聞いてはいたが、主要なものは今回参加できなかったメンバーからのものが多かった。私は市販の適当な竿しか使ったことがなかったので、自作竿がとっても欲しかった。どれも素晴らしいものだっが、、後一歩のところでじゃんけんで負けてしまった・・・(泣)。でも、山さんのタモの柄やベッチーさんのエビすくいなどをもらえたので十分満足している。そして景品で何を得たかなどより、不参加だったメンバーがこんなに多くの品を供出してくれた心がうれしかった。「いいクラブにいてよかった。」と思った。

 また今回お世話になった渡辺渡船さんは大変親切で、600円のお弁当もリーズナブルでおいしかった。風雨で冷えた体にあったかいお弁当は最高だった。そして一番は大会の段取りや前日、当日の様々な気配りを一手に引き受けてくださった山さんご夫婦に感謝している。本当に気持ちよく1日が過ごせた。「ありがとうございました。」

 17時、日向湖を後にした。帰りの運転はなぜか眠くならなかった。疲労よりもうれしい興奮で気持ちが高ぶっていたからだろう。黒逢会の行事はたったの年2回。でもこれからも何らかの形で参加し続けていこうと思う。

釣果:いっぱい!