2月22日(木)  長浜(晴れ)     中潮

 年末に負傷されたがじろうさんと釣りに行くことになった。がじろうさんの復帰戦、釣り場は長浜に決定した。当日は一日休めるはずだったが、前日に急用がはいり、午前中しか釣りのできない状態となってしまった。がじろうさんは昼からの参戦予定だったので、一緒に釣れそうになかったが、少しでも早く来れるようにしてくれるとのことだった。

 仕事に疲れ過ぎたためか、逆になかなか寝られず、完全な睡眠不足の状態で、4時50分自宅を出発した。途中、黒鯛釣り具店でシラサ2杯を購入した。長浜には6時半に到着した。7時、私を含め5人の釣り人を乗せて出船。カセに一人、赤灯に一人、手前の筏に一人、そして私は渡船店で購入した牡蠣を持って、東の筏に降りた。あとお一人は刈又に行かれた。釣り場速報の堀さんの記事にもあったが、午前中しか釣りができないので、最大のチャンスは朝一だと思った。牡蠣ゴミをパラパラ撒いた後、仕掛けを作り、牡蠣の半貝を落とし込んだ。着底しても反応はない。2分ほど経過しただろうか、小さなアタリがでる。「チヌか!?」細かいアタリが連続してでているが、3秒ほどたっても押さえるようなアタリはでない。「牡蠣のアタリは細かいと言うしな。これ以上待っても取られそうだ・・・。あわしてしまえ!・・・お?何かかかったぞ。・・・チヌや!」魚は結構な引きを見せながら、筏下に突っ込む。「まずい。いつロープにからんでもおかしくない。でも、もう巻くしかない。」とにかく、運を天に任せて巻き続けた。途中からは立ち上がってまくことにした。「からまない、まだからまない。・・・もしかしたらとれるかも。」しばらくすると竿下に魚影が見えた。「お、ここまできたらいける!40pオーバーゲットーーー!」いきなりの良型で、うれしい。牡蠣ゴミを撒いた後、写真を撮った。



 第2投も牡蠣の半貝。今度は着底後すぐ、クゥークゥーと大きめのアタリ。押さえるというより、引っ張るようなアタリがでた。「えい!」またかかった。今度は先ほどより強い。しかし真下に突っ込むので、ロープは大丈夫そうだった。しばらくのやりとりの末、上がってきたのは45pはありそうな、いいチヌだった。「お〜、サイズアップや。」睡眠不足のうえ、朝一からいきなりの興奮のため、ちょっと疲れた。フーフー息をしたくなるような状態だった。しろっぽいそのチヌの写真を撮った。



 第3投も牡蠣の半貝。着底後しばらくして、チクッとあたる。構えるがアタリは続かない。間があいて再び、チクチクとアタリがでて餌をとられた。上げてみると針がなくなっていた。「フグか・・・。朝一の時合いは終わりかな。」第4投も牡蠣の半貝。今度も1分ほどしてあたる。コツと当たった後、すぐに小さいアタリがでたところであわせるも、針掛かりしなかった。「早やかったな〜。今のは若干押さえたし、チヌっぽかった。まだいるかも。」

 第5投も牡蠣の半貝。着底。時々動かしたりしながら、3分ほど経過しただろうか、小さなアタリ。アタリは連続してでているが、押さえるようなアタリはない。しかし、連続してアタリがでるのは、チヌだと勝手に判断しあわせた。「うお!手応え十分!」またも良型だ。かかりが浅いかもと思い、2度あわせを入れた。その後、強い引きが始まった。糸がでてしまう。「年無しや。」チヌは幸運にも右斜め前方に走った。「ラッキーや。糸に傷さえなければ、とれそう。」しかし、何度経験しても、いつばれるか不安で、余裕はない。やがてチヌが3メートルほど前方に浮いてきた。「やっぱり、でかい!年無しや。」魚の見えるこの瞬間が最高に緊張感が高まる一瞬だ。そして、無事タモ入れ成功。写真を撮った。



 「今日は凄すぎる。いったいどうなるんやろ。」しかし・・・・、それは余計な心配だった。その後はうんともすんとも言わなくなってしまった。餌をシラサに代えてもイガイにしても全く反応はない。朝からの緊張感でフーフーしており、緊張感が緩むにつれ、疲れがでてきた。もう十分満足した。気がつくと、2月下旬とは思えない陽気となっていた。



 10時過ぎ、がじろうさんが船着き場に到着。ところが船頭さんが散髪に行ってしまって筏に来られない。今日はがじろうさんと少しでも長く釣りをしたかったが・・・。10時半、船頭さんはまだ散髪から帰ってこなかったが、とうとうがじろうさんが出船!前方からオール1本でカセをこいで、こちらに向かってくるがじろうさんの写真を撮った。筏に到着したがじろうさんは流石に疲れた表情だったが、二人で笑ってしまった。小さい時に、冒険ごっこかいたずらでもした気持ちを思い出した。カセをこいできたがじろうさんは、長い渡船に感じたと思うけど。



  海の方は8時以降全くアタリがなくなった。がじろうさんを迎えるためにせっせと撒き餌は続けていたが、外道すらほとんどいない状態になってしまっていた。がじろうさんといろいろ話していると、あっという間に12時の納竿の時間を迎えてしまい、がじろうさんに別れを告げて筏を離れた。

 今回の釣りであるが、朝一の時合いにうまく釣り上げられたことに大満足した。やはり、この時期はどの釣り場のどの筏で、何の餌で釣るかは大変重要なポイントになる。筏の予約、餌の手配、釣り面の決定、これらはすべてがじろうさんがしてくれた。私のやったことと言えば、前日の釣り人の釣り座をみつけ、その付近に座るという、誰でもがやる決定をしただけだった。復帰を祝う立場が、おんぶにだっこ状態での好釣果だった。今度は、少しでもがじろうさんに恩返しをしたいと思う。また当日の他の筏の状況であるが、私の釣った時間帯とほぼ同じ時間帯に、赤灯筏で、30p台1枚と遠目に見てもわかるほど、巨大なチヌ(55pらしい)が上がっていた。帰路は窓を開けて、春の風を感じながら車を走らせた。気持ちはよかったのだが、2月にこれでいいのか不安を感じた。

 ところで、自らさばいた年無しと46センチのチヌの腹の中であるが、イガイが入っていた。特に46pには大量にあった。また年無しの卵は結構大きかったが、46センチのは全く成熟しておらず、産卵するのかさえ疑問を感じるほどだった。乗っ込みは早いという予想もあるが、いったいいつになるのか、チヌの腹を見ている限り私にはわからない。

            

釣果:3枚(51.5・46・42p)