3月12日(月) 上佐波賀(雪や雨) 小潮
久しぶりに月曜日に平日釣行することが可能になったが、天気が悪そうだった。日曜日の18時頃、当日の状況を聞くため吉田に電話してみた。何とお客さんが来られているようだった。しかもその数人のお客さんのほとんどが大型を釣られているらしい。「世の中、すごい人がいるんだなあ。こんな天気なのに。」続いて上佐波賀にも電話した。やはり数人の方が釣りに来られており、みなさん1,2枚の大型を釣られたそうだ。「ほ〜、すごいな。やっぱり悪天候を押してでも行く人に天は味方するのか。」釣れた筏は、1番、2番、16番らしい。萎えかけていた闘志に火がついた。「よーし、行くぞ!明日は今日よりはましなはずや。」出撃を決意して、天気予報を確認した。「ぎょえーーー!明日の方が悪いやん。波が6メートルに風が7〜9メートル、降水確率は50パーセント、最高気温6度。おまけに強風波浪警報・・・。とてもじゃないが、釣りをする天気じゃない。」しかし、もう諦められなくなっていた。夜、がじろうさんにメールしてみると雪が降ってきたらしい。がじろうさんのメールからは思いとどまった方がよいという気持ちが感じられた。「これで釣りに行くのは普通じゃないよな。でも、今年は暖冬で変人組合員としての活動機会がなかった。まあ、行くだけ行ってみるか。出船できなかったら、がじろうさんの家にちょっと寄ってもいいそうだし。」
当日は4時半に起床し、5時過ぎに出発した。縦貫道に乗るとすでに亀岡付近で雪がちらついている。縦貫道をおりた後は、いつもなら黒鯛釣り具店からの山越えのルートを通るが、より安全な国道27号を選択した。雪はだんだん強まってくる。和知に入るととうとう暗闇の中で本格的に降ってきた。道路が真っ白になり、先行車のタイヤ跡もない。視界も悪く中央線がわからない。怖い。しかし引き返すよりとにかく綾部に抜けた方がよいと判断し、そのままゆっくりと進んだ。果たして綾部に入ると雪はやんで、風もほとんどない。風がある場合は吉田に、ない場合は上に行こうと思っていたので上に向かう。ウスイ釣り具でボケ20匹とシラサ1杯を購入し、7時に上に到着した。おじさんに電話して来てもらった。おじさんは開口一番、「よう、来なはったな〜。」と感心というか多少あきれていた。7時半、出船しようとしていると、がじろうさん登場。一瞬、がじろうさんも釣りをするのかと思ったが、見送りにだけわざわざ来てくれたようだった。予報に反して好条件に見える海へ、がじろうさんに手を振りながら意気揚々と出船した。「天気予報はずれたな。」
1番筏に乗り、渡船乗り場でとったイガイなどをばらばら撒いた後、仕掛けをつくって釣り始めた。まずはボケの落とし込み。朝一は最大のチャンスと思って集中する。アタリがないので、手繰り上げて再度落とす。何度か繰り返すうちに小さいアタリでなくなった。次のボケも同じ。シラサには反応がない。牡蠣を試してみるが、これにも反応はない。その間、フロートについていたフジツボみたいな物やイガイは撒き続けた。そんなことを40分ほどやっていると、天気の方が8時半をまわるころから崩れてきた。「やっぱり、そんなうまくはいかんな。荒れてきたか・・・。」突風はないが、正面から斜め45度の角度で雪が降ってくる。9時頃からは風向きが変わって背後から吹き始めたので、多少は楽になったが、寒いのは変わらない。吹雪の中、一人筏に乗っていると流石に寂しい。「朝一の1発はもうない。やっぱり今日らの日に来ることが間違ってたなあ〜。変人を越えてある意味超人かも。それにしてもどうもこの筏はあかんみたいや。筏代わりたいな。」などと弱気な気持ちがだんだん支配的になってきた。メインの餌のボケには反応はない。ボケを落とし込む間、ポケットから手を出していなければならないのがつらい。9時半、沈下速度の速い、牡蠣に変更。潮に徐々に流されていくがリールをフリーにして放置。小便をしながら穂先を見ていると、コチョコチョとアタリがあった。「うん?」服をなおしながら竿のところへ戻る直前、クッと一瞬穂先が入った。間に合わなかった。「しまったー。初めてのアタリやったのに。今のはチヌっぽかった。チヌいるかも。」アタリのあった牡蠣を再度投入。反応なし。10時頃、牡蠣ゴミのなかにいたゴカイを投入するとアイナメが釣れた。「さっきのアタリもアイナメかな〜。チヌやと思ったけど・・・。」その後、餌は牡蠣一辺倒。理由は一度アタリがあったことと、早く沈むから。天気は吹雪いたり、止んだりを繰り返した。雪の止んでる時間帯は風も止むのがうれしい。
10時半、牡蠣餌に反応。コチョコチョした小さいアタリが連続してでている。「このアタリ方はチヌのはずや!」いつものようにアタリを見極めるのではなく、適当にあわすタイミングをはかって頃合いを見計らってあわせた。手に伝わる重量感。「のったー!チヌや。おお、引く引く。良型や。何とかとらしてくれ。」魚は直下に潜ってくれるので、ロープの心配はない。しかし、最後になって筏下に潜ろうとしたので、立ち上がってまく。やがて水面に浮いたのは40pオーバーの立派なチヌだった。「よっしゃ!とった。ふ〜。今日来てよかった〜。」緊張と寒さで、久しぶりに体が震えた。満足した。次の一投には反応がでないので、引き上げて再度大きな牡蠣を投入。しばらくして、アタリ。今度も微妙なアタリを適当にあわせた。「よし、またきた!」取り込んだのは先ほどより一回り小型だが、いいチヌだった。時刻は10時50分だった。「時合いや!」 その後、追加を狙うもアタリはない。しかし、朝一からではなく、この時間帯から釣れると言うことはチヌはまだいると思った。余裕がでたので、今シーズン初めての雪の舞鶴湾の写真を撮った。
釣果は上がったが、天気はますます厳しくなった。雪とみぞれが降る時間が長くなり、頭が痛くなるほど寒い。寒さで、注意散漫になり定期的に牡蠣で指を切ってしまい血だらけだ。12時、がじろうさんからの激励メール直後の1投で、着底後すぐにアタリ。アタリはすべてチヌだと思い、またも適当にあわせるとのった。40pオーバーGET!写真を撮った。
その後も1,2度アタリがあったが、失敗。調子に乗って早合わせしすぎた。牡蠣餌は押さえ込むようなアタリまで待たなくとも乗るが、やはりアタリをしばらくは見極めて状況を想像し、食っていると思えるまで待つことが必要だと思った。12時50分、コン、コンと今までより大きなアタリがでる。突っついたようなアタリだったので、あわさず待った。その後に出た連続の細かいアタリであわすと、腕が肩で止まった。今日一番の重量感だ。そして、強い引きが始まった。「大きいぞ!」何度も突っ込むが、腕で対応できる引きだったので、年無しではないようには思ったが、上げてみないとわからない。必死でやりとりする。中層ぐらいから魚は筏下に入ろうとする。だめかと思ったが、立ち上がってちょっとでも入り込まれないようにした。いつひっかかってもおかしくなかったが、魚は徐々にあがってくる。そして、とうとう見えた。大型GET。興奮した。年無しまではないように見えたが、もしかしてと思い検寸した。やはり50センチにはとどかなかった。でも立派なチヌだったので写真を撮った。
「よし、この調子で年無しだ!」・・・・・しかし、この気持ちは長く続かなかった。何重にも服は着ていたが、とうとう下半身を中心に浸水し、お尻の部分が冷たく感じてきた。集中できない。潮が終始動き、海の中はめったにない好条件だ。チヌも結構いそうだ。アタリはほとんどは着底直後にでる。特にまっすぐ一定方向に沈む牡蠣より、ぐるぐる旋回しながらやや遅く沈む牡蠣がよい。多少浮いているチヌが見つけると食ってくる。パターンがわかってきてももう体が動かなかった。巻き上げて、牡蠣を割り、ハリを付けて落とす作業が厳しい状態だった。それでも、30分に1回くらいの割合でアタリはあったが、ことごとく失敗した。
15時、着底後、1分ほど経過してチョコチョコと当たったかと思うとすぐに穂先が海中に突き刺さる今日一番のアタリ。あわててポケットから手を出して、竿を持つと魚がかかっていた。かかりは当然浅いと判断し、二度合わせを入れようとした瞬間にハリがはずれた。・・・・・・残念。大きなアタリに驚いてその後1時間、がんばれたが16時からの雨で撤退を決意した。30分ほどかかって筏の掃除や後片づけをして、16時45分、迎えの船にのった。陸に上がるとがじろうさんがちょうど来てくれた。スカリからチヌを出す時にエラで、右手人差し指を切ってしまい、釣果写真の撮影はがじろうさんにお願いした。更に雨の降る中の荷物運びも手伝ってもらい。やっとストーブのついた小屋に入れた。がじろうさんの買ってくれたコーヒーを飲んでほっと一息付けた。「がじろうさん、ありがとう。」
当日の感想であるが、釣ったことよりせっかくの好条件で、後半も追加可能な状態だったのに失敗したことが悔しかったが、この天気なら仕方ないと諦めることにした。釣果としては無理した甲斐はあったが、これに味を占めるとそのうちひどいことになるので、気をつけようと思う。がじろうさんと17時半に別れ、帰路につくと一気に疲労がでた。疲れは翌日まで十分残ったが、まだまだ舞鶴は乗っ込み前の好時期だと思うので、また行きたい。
釣果:4枚(48.5・43・42・39p)