8月10日(月)     長浜(小雨後曇り)

 濁りの出た状態で、よい釣りをした思い出のある長浜の雁又に行くことにした。いつもよく乗る8番にしようと思ったが、すでに予約が入っていたので、7番を予約した。オッチャンさんの釣行記でも釣果のでている筏だった。当日は2時40分頃自宅を出発し、黒鯛釣り具店で団子(大)、丸貝、サナギ、氷を購入し、その後しばしマスターと楽しく雑談してから、店を出た。釣り場には4時半過ぎに到着した。そして、5時20分頃、8番の釣り人とともに出船した。

 釣りを開始したのは、5時半過ぎだった。イガイを落とし込もうと思ったが、フロートにはほとんど付いていなかった。釣り人がとってしまったのだろう。探すのはあきらめてまずは丸貝の落とし込みから始めた。海の色は白っぽい抹茶色で大丹生の時と大差はなかった。釣れそうな色には見えた。しばらく落とし込むが反応がなかったので、早々に団子を投入した。潮は結構早く湾奥に向かって流れている(当日は終日、基本的に湾奥に流れた)。サナギハリス団子で打ち返すが反応はない。「魚、いるんかいな・・・」不安がよぎった。まったくアタリのないまま、時刻は7時になった。団子が切れて餌のサナギをしばらくは流したが、糸を出すのをやめて放置した。おそらく餌は徐々に浮き上がったと思う。しばらくするとかすかにアタリがでたように見えた。見極めようと注視していると、突然穂先がひったくられた。「あ、うぉ」失敗した。「あ〜あ、でも今のアタリはチヌや。チヌがいることはわかった!」気持ちが明るくなった。そして7時半、サナギハリス団子にアタリ。コチョコチョとあたったあと、すぐに穂先が段階的に入っていった。こん身の一撃。重量感が伝わってくる。「やっぱり、チヌいたぞ。」大型間違いなしの引きが始まった。リールから糸が引き出されたが、持ちこたえる。徐々に巻き取る。魚は前方に走っていたので、とれそうな気がしたがその時、穂先がはねた。「ば・れ・た・・・。あ〜、やってしもた。」ハリはずれ。いつものパターンだ。「うまくいかないな。また、もとの調子やん。」その後は当然、チヌアタリはでなくなった。しかし、時間は早かったので、打ち返しを続けた。「まだ、きっとチャンスはあるはず。」

 11時頃からは、サナギでチャリコが釣れたり、フグかカワハギが餌を突くようになった。さらにボラの団子アタリも出始めて、サナギハリス団子では釣りにくい状況になった。チヌがあたってきてもよさそうだったが、明確なチヌアタリを判別できないまま時間が経過した。そこで餌を丸貝に代えて、落とし込んだり、誘ったりして、チヌの様子をうかがうことにした。餌が細かいアタリの後になくなったり、落ち込みで触ったりするアタリがでた。そして12時にとうとう食いちぎられた丸貝が上がってくることによって、やっとチヌが再び寄ってきたことを確信した。12時20分、しばらく放置していた丸貝に、コンコン、クというあせやすいアタリ。「よし!」再び、チヌをかけた。「今度こそ!」先ほどより引きは弱いので、中型のチヌのように思えた。順調に上がってくる。ところが、突然穂先がまたもやはねた。「あーー、もうーーー。」思わず、天を仰いだ。ぼやきが止まらない。「くそーーー。肝心な時に2連発かよ。」糸を巻き取ると、あと2ヒロもなかった。「表層でのバラシや。気を取り直してやれば、まだいけるはず。」もう一度、丸貝を落とし込む。あたらない。しばらく放置する。するとかすかに触ったような感じがした。「うん?」と思った瞬間、穂先が突き刺さった。「うぉおお、かかった。強いぞ、大型や!やっぱりまだ、散ってなかったぞ。これを獲れば取り返せる。」ばれた。「・・・・・・・」言葉がなかった。「向こうアワセやったしな。でも今日は全然あかん。」これで、完全に時合いを終わらせたと思った。しばらくするとボラは戻ってきたが、刺し餌にはそれらしき変化は見あたらない。13時半、ハリス団子だとアタリが見極められないので、着底後早々に団子から離したサナギを放置した。すると細かいアタリが出始めた。1テンポ間をとってあわせた。「よし、のったぞ。チヌや。頼むからばれないで。今回はアワセはバッチリやったと思うけど。」立ち上がって、膝を使いながら慎重に上げた。「よしゃー」すくったチヌは30pほどだったが、とてもうれしい1枚だった。「状況かわれば、小型でも感動が違うな。」しかし、その後は特に目立ったアタリもなく時間は経過した。外道の活性は高いものはあったが・・・。

 15時頃からはボラのアタリは一層激しくなった。餌はサナギで釣れたこともあって、主にサナギを使った。時々ドキとするアタリがでるのだが、ことごとく失敗。当日は20pほどのチャリコがサナギを食ってきたので、チヌとは言い切れないが、チヌアタリのように見えた。15時半、8番の釣り人がチヌを釣られた。「チヌの活性はあるのよね。このまま、終わるのはさみしいけど、今日はこのままやろな・・・。」たまにあるアタリをはずし続けた。16時20分、団子から切れたサナギにアタリ。サナギハリス団子で、アタリを見極めようとして上手くいかずに、ストレスが溜まっていたので、どんな魚でもいいので、かけようと鋭く竿を振り上げた。「お!この重量感。きたぞ、チヌや。」40pほどのよいチヌが上がってきた。「この時間に追加して、複数枚にできたのは大きいな。」更にもう一枚を狙うが、1度いいアタリを逃してしまい、結局17時に納竿した。当日であるが、海の状況で言えば、よい日にあたっていた。上手くやれれば、十分な釣果を得られたと思う。やはり最初の1枚を獲るか獲らないかが、その後の釣りの展開を大きく左右してしまう。あせりでよい状況をあの手この手でだめにしてしまった。

 陸に上がるとがじろうさんが来てくれていた。最近はがじろうさんは忙しく、なかなか釣りには行けていないが、秋にはまたよい釣りを一緒にしたいものだ。また、帰りの船で分かったのだが、8番で集中して釣りをされていたのは実は役所工事さんだった。雁又は天気が悪いと心細い気持ちになってしまう釣り場だが、役所工事さんが横で頑張られておられたので、私も釣りに集中できたと思う。この夏は昨年に比べ、チヌが元気なので次回もチャンスを生かせる釣りがしてみたい。



釣果:2枚(39・31p)