8月18日(火)     大丹生(晴れ)

 この時期はいつも大丹生に行く。今回は筏でやってみようと思い、事前に連絡も入れずに大丹生に向かった。途中、黒鯛釣り具店で団子(大)、丸貝、サナギ、氷を購入し、マスターとしばし雑談し、釣り場に走った。大丹生には5時前に到着。なんやかんやしている間に夜も明けたので、ピンポンを鳴らして、おじさんを起こした。「あんたが釣ってからも、カセはずっと釣れとる。カセはチヌがおるんやな。」「おじさん、筏は最近どう。」「あ〜、なんか2枚ほどあがっとったな。おー、そこでイガイを獲れ。」おじさんがそんなことをいうのは初めて聞いた。釣りのことを少し覚えられたのか。渡船場付近のイガイを小バケツに1杯とると、船はカセに向かって進み出した。「う〜ん、筏のつもりやったけど、おじさんにその気全くなしやな。おじさんがすすめてくれるのやから素直にカセにするか。」

 5時半前より釣りを開始した。まずはイガイを落とし込んだ。着底しても変化はない。1分ぐらい待って上に誘った。すると着底後すぐモゾモゾアタリが出始めた。「チヌや。」その間7,8秒だったか、モゾモゾの途中で思い切ってあわせた。「よし、のった。何とか1枚目は釣り上げたい。頼む。」結構な突っ込みを見せて、上がってきたのは40pほどの良型のチヌだった。「おー、やっぱりカセはいるなあ〜。」続いてイガイを落とし込む。やはり反応がないので、上に誘ってゆっくり落とし込む。落とし込み途中でかすかに餌を突くアタリがでている。着底とともにモゾモゾアタリ。あわせた。またもや40pアップが釣れた。

   

「2投で2枚。すごいな〜今日も。」しかし、その後はアタリはでない。6時頃より団子釣りに切り替える。最初の1投目はサナギがすぐにボロボロになり、サナギでは釣りにならないかと思ったが、すぐにサナギは残るようになった。サナギハリス団子で釣り続けた。6時半、初めてサナギハリス団子にアタリ。またも40オーバーが釣れた。「おー、サナギで追加できたぞ。」アタリの数は前回ほどではないが、ここまでは、着実にあわせて、釣り上げられている。順調だ。サナギで続けるがアタリはでない。「うーーん、サナギはとられもしないな〜。イガイ好きはサナギをあんまり食わないし。」7時半頃からイガイの落とし込みに変更。そして、7時45分、イガイで30p台のチヌを追加した。その後は目立ったアタリもなく、時間が経過した。8時頃よりボラの団子アタリも出始めた。8時40分、アタリと掛かり方はボラだったが、引きはチヌらしき魚をばらした。天気は晴で異常に暑い。さらにはお腹も痛い。9時20分、一旦陸に上がった。西田のおじさんと話したりして、筏に戻ったのは10時だった。サナギハリス団子を投入し、パラソルをたてようと作業していると、穂先が突き刺さった。あわててあわすとのった。すごい引きだ。大物の予感がした。必死のやりとりの末にやっと浮かせた。「・・・ボラ。」そうはうまくいかないなと思った。10時半、またも違うことをしている時に穂先が海に突き刺さった。「さっきと同じやな。ボラか?」半信半疑であげてくるとなんと今度は良型チヌだった。「おーーー、5枚目。調子いいな。」この1枚で、一日を通して、チヌが食ってくる日にあたったと感じた。

   

いい条件なのだから、気持ちよく集中できそうなものだが、それを上回ったのが当日の暑さだった。パラソルの日陰からでると気分が悪くなりそうだった。手返しは減り、放置の時間が長くなった。12時くらいからは日陰で放心。12時半からはメールや電話にいそしんだ。右手に携帯、左手で団子を投入した。仕掛けは上げたまま。後輩F君との電話が終わった13時20分、おそらくボラの活性が上がっていることは分かっていたので、ハリス団子ではなく丸貝の落とし込みからスタートした。着底後すぐあたるが失敗。「しまった。でもおるな〜。」続いてもう一度丸貝を落とし込む。これまた着底後すぐにあたる。今度はある程度待ってあわせた。40pオーバーGET。

   

 丸貝で入れ食いかと思いきや、そうはならない。今度はサナギハリス団子主体に代える。ボラの団子アタリがすさまじい。「これだけ、ボラの活性あれば、チヌもきっと活性はある。餌をローテーションしながら、1つ1つ釣っていこう。」たまに、サナギがチヌぽい食われ方をしているが、決定的なアタリはない。団子アタリが激しいので、ボラの団子アタリとチヌアタリを見極めるために、早めにサナギを団子から切った。さらには最近はめったにしないのだが、サナギを団子に包んだ。

 15時、サナギを小団子に包んで投入。すぐに団子にあたってくる。あたっている最中に抜こうとすると団子ごと重みがかかってきたので思わずあわせてしまった。ボラをかけてしまったと思ったのだが、引きがどうも違う。上がってきたのは30p強のチヌだった。「えー、チヌが団子ごと食ってたんか。団子アタリはボラだと思っていたがチヌも混じっていたんや!」驚いた。その後は団子アタリにも注意を払ったがボラのように感じた。15時20分、団子から抜いてしばらくしたサナギにアタリ。30p中ごろのチヌが釣れた。やはり状況としては団子投入直後はボラが大暴れし、それが一段落すると周囲にいたチヌが寄ってくるように思えた。とにかく、当日一番チヌが濃い状態だと思った。「そうそう、前回のやり残し。巨丸貝投入だ。」ビックアケミのような貝はないが、ハリも6号に代え、殻の堅い小アケミサイズを落とし込んだ。すぐに触ってくる。あわすがのらない。再度投入。「結構大きいのだから、アタリはもう少しはっきりでる。しっかり見極めよう。」突っつきアタリから徐々に抑えながらモゾモゾになった段階まで待ってあわせた。「よっしゃ、きた!大きいぞ。」見えるところまで上げてから、相当暴れられヒヤッとしたが、何とかすくった。これも40pオーバー。15時40分だった。さらに大丸貝で続けるが、アタリはでない。サナギ、イガイ、丸貝をローテーションさせて、かけられるアタリを拾おうとするが、うまくいかない。1時間が経過した。「なんとか二桁目指そう!」目標がいつの間にか型から数に変わってしまった。サナギがかじられる状態がしばらく続いた17時20分。団子から離して2,3分経ったサナギにアタリ。小さなアタリだったが、思いっきりあわせた。確かな手応え。10枚目のチヌを釣り上げた。その後、再び型狙いで大丸貝を落とし込んで、1度ぺしゃんこにされる惜しいアタリがあったが、17時40分納竿にした。

 陸に上がると久しぶりに佐藤さんが来てくれていた。釣りの話しやクワガタムシの話しなどをした。釣り人には虫好きが多い気がする。私も今年はヒラタの雄を2匹捕まえ、2年ほど生きているメスとの繁殖を試みている。佐藤さんはしばらく釣りから離れていたが、また一緒に竿を出せる機会があるといいなと思う。18時半、涼しさを感じる夕暮れの大丹生を後にした。夕暮れが気持ちよく感じられる季節にもう一度海に来たいと思った。


 
釣果:10枚(44・43×2・42.5×2・40.5・35.5×2・32.5・32p)