2月7日(土)     大丹生(晴れ時々曇り)

 1ヶ月ぶりに釣行できることになった。もちろん、行き先は大丹生。例年、初釣りは基本的には大丹生だが、今年は2月になってしまった。当日は朝5時過ぎに自宅を出発し、黒鯛釣り具に5時40分頃到着した。餌を選んでいると店の奥からオッチャンさんが登場された。長浜に行かれるとのことだった。しばらくお話しして、先に店を出た。買った餌はシラサ1杯、青イソメ300円、丸貝小袋2つ。大丹生に到着したのは、7時をまわっていた。準備をして、おじさんを呼んで年始めの挨拶をした。おじさんに用意してもらった牡蠣を持って、出船したのは7時半過ぎだった。おばちゃんが風邪をこじらして入院されているそうで、おじさんも大丈夫かなと心配したが、おじさんは元気そうだった。

 筏群が近づいてきた。「どこにする?」「最近どうなん?」「見てのとうりや。ほとんど誰も来とらん。」今日は土曜日で、天気予報もよかった。しかし確かに筏には誰もいない・・・。「じゃあ、真ん中の筏に乗る。」岸から3列目の避難箱付き筏にのった。牡蠣ゴミを撒いてから、仕掛けを準備。第1投は牡蠣。反応なし。「おらんわな・・・。大丹生でこの時期、朝から釣れたなんて、とんと記憶にないし。」特に期待することもなく、ゴミをせっせと撒きながら、牡蠣を中心に落とし込む。8時過ぎだったか、一度アタリがあり、大きなフグが釣れたが、その他は全く静かな海だった。8時半頃になると、牡蠣漁師さんが作業し始めた。その数、5名。そこらここらで、ゴミが落ちている。「あちゃ〜、こんだけいろんなところで撒かれたら、寄って来ないかも・・・。でも、チヌからしたらパラダイスのような状況やな。餌に困らんやろ。普通、この状況なら筏群の下にいるよな。」そんなことを考えながら、釣り続けた。

 9時、牡蠣を付けて投入。着底後、しばらくたってもアタリがなかったので、ホカロンを出そうと体をねじって左手で鞄を探っていると、竿を持っている右手が引っ張られた。「うん?」見ると穂先がお辞儀している。「道糸が服にでもひっかかったか?」一瞬何が起こっているのかわからなかった。直後、今度は竿が右方向に強い力で引かれた。「魚がかかっている。しかも強い。フグじゃない、チヌや!」正気に返り、体制を立て直そうとリールのハンドルに手をやり、巻き取りにかかった。「う・・・、巻けないぞ。どうした!」がーーーん、なぜか見事に糸がハンドルにからんでいる。「ああ・・・、以前にも見たよな、この状態。なんで、このリールこんなことになるんや。リールを完全フリーにするとトラブルになる。気をつけていたのに、今回に限って・・・。」魚がなぜか小休止したので、はずそうと試みるがやっぱり無理だった。あきらめて糸をつかんで、上げることにした。ゆっくり引いたせいか、魚はあっさり上がってくる。「もしかして、いけるか。」と思った矢先、強く引かれ、糸が切れた。「なんでこうなるのかな〜。」がっくりした。しかし、時間はまだ早かったので、「大丹生にチヌがいることがわかっただけでもよし。」と前向きに考え釣り続けた。

 その後はゴミを撒きながら釣るも、全くアタリは出ない。青イソメでハオコゼを数匹釣っただけだった。天気は晴れているが風は強い。しかし、そこは全天候型大丹生。気持ちよく釣りはできた。「最初の1枚、やっぱり釣らないとあかんな〜。今日はもうアタリないかも・・・。しゃあないな。久しぶりの釣りやし、ゆっくりやろ。」時刻は13時半になった。小型の牡蠣を落とし込むと久しぶりにアタリ。小さいがコツコツとあたる。しばらくあいて、またコツコツ。しつこくあたる。フグではなさそうだった。しばらく待つが、なかなか食い込まないので、20秒ほどで適当にあわすとかかった。クンクンとした引き。「何だ・・・。チヌや・・・。」大丹生初チヌだったので、写真を撮った。「でもこれ、チヌ釣ったって言っていいのか・・・。あかんやろな。」



 ゴミは14時頃で撒き終え、後は牡蠣を中心に落とし込みを続けた。アタリは皆無だった。どの餌も無傷。15時過ぎ、牡蠣に久しぶりのアタリ。少し糸を張り気味にしてみると、コツコツとあたる感触が伝わってきた。適当にあわすがのらなかった。「あんな小さいアタリでも、チヌのこともあるしな〜。」などボーと考えながら、再び牡蠣を落とし込む。すると着底後すぐにコツコツと小さく触った。「ほ〜、何かわからんけど、活性上がってきたやん。」アタリがすぐに消えた穂先をしばらく見ていた。30秒ほどたったであろうか、突然穂先が突き刺さり、アワセを入れる前に魚がのってきた。「うぉおお」必死でやり取りした。大丹生ではばらしたくなかった。アワセを入れていないので、ハリハズレが怖かったが、流れに任せて無理に二度アワセをいれることなく巻き上げた。魚が見えた。「よし、良型!」無事すくった。写真を撮った。タモのなかでハリははずれていた。



 チヌをスカリに入れて、再び牡蠣を落とし込む。着底後、しばらくしてアタリ。「今日は二度とも、チヌが勝手にのってくるような大きなアタリだった。待ってみよう。」しかし、しつこいアタリがでるが、押さえることなくアタリがだんだん小さくなり、突く間隔もあいてきた。「あれ〜、とられたか・・・。」少しきいてみるとコツという小さいアタリがでたので、あわせた。「よし、かかった。小型のチヌか?」上がってきたのは黄金色のアイナメ。かるく30センチを越えていた。「でかいな〜。食べたらおいしいが、チヌの方がいいな。」次ぎも牡蠣を投入。着底後、またもすぐにあたってきた。細かいアタリが連続する。「アイナメ?チヌ?」とにかく、あわせるのを我慢した。するとしばらくするとコツコツと突きながら少し押さえた。あわせた。「よし、かかったぞ。さっきより強い!」いい引きを感じながら、取り込んだのは白っぽい良型のチヌだった。時刻は15時40分だった。「もしかして、入れ食いモード!?」



 次ぎも牡蠣。着底後しばらくして、大きくクゥとあたった。次のアタリを待つが反応がない。上げるとハリがなくなっている。「今度はフグかよ。」これで、なぜか集中力が落ちてしまった。その後も、4時15分頃まで、2,3度、アタリがあったが、早合わせになってしまい、失敗した。当日のパターンは待てばしっかりアタリがでたので、チヌかどうかはわからないがもったいない失敗だった。4時半頃からは、餌の牡蠣がなくなってしまい、丸貝でやるが反応はでなかった。17時15分、シラサを落とし込んで、またもポン級アイナメを釣り上げ納竿とした。夕方の時合いは上手くやればもう1枚ぐらいは追加できただろうし、朝にもばらした。大丹生でチヌの魚影を感じられたことが、何よりうれしかった。夕暮れ迫るなか、厳冬期とは思えない穏やかな海をしばらく見つめ、帰路に着いた。


釣果:2枚(42.5p)