3月8日(日) 大丹生(曇り時々晴)
上佐波賀に行こうかと思って電話してみた。船頭さんが代わって、平日でも行けるらしい。釣果の方を聞いてみると、他の釣り場と同じようだった。それならば、大物がいることがわかっている大丹生にやっぱり行こうと思った。4時半前に自宅を出発し、黒鯛釣具店で団子(小)、オキアミLL、ボケ20を購入し、大丹生には6時半前に到着した。おじさんはすでに渡船場におられ、牡蠣を分けてもらって、すぐに出船した。筏群に向かう途中におじさんに聞いてみた。「最近、牡蠣上げた筏は?」「う〜ん、2日前にあんたがよくのる筏であげたけど」「他は?」「う〜〜〜ん・・・。」覚えていないようだった。牡蠣上げ作業ももう終盤で、最近はあんまりやってないのかも。「じゃ、いつものにのろうかな・・・。」「そういえば、昨日は、岸よりの筏でカレイが8枚あがった。」カレイが8枚か・・・、魚が寄る要素があるということか。前回年無しも釣れてたし。「岸寄りの筏にするは。」
筏に降りて、すぐ気が付いたのだが、牡蠣ロープが1本もない。「しまった、引き上げ完全に終わってる。こういう筏でいい目したことないし。」周囲を見渡すと、まだ、ロープの残っている筏もあるが、ない筏が多い。いつもの筏は多少残っているが、直後に来られた釣り人がもう乗っておられた。「ここで、がんばってみるか。」まずは牡蠣の落とし込み。反応なし。ボケの落とし込み。反応なし。15分ほど、落とし込むがダメだったので、筏の裏面でボケを落とし込んだ。小さな反応がでる。「うん・・・。」上げるとボケがきれいにない。次ぎもボケ。やはり小さいアタリがかすかに出ただけできれいになくなった。次は牡蠣を落とし込む。微かな反応。しかし、あわせをいれるようなアタリはない。上げるとハリがなかった。「なんだフグか。」正体がわかったので、釣り座にもどって、牡蠣を落とし込む。着底後すぐに、コチョコチョさわってくる。「うん、我慢、我慢。」コチョコチョは続いている。しばらくして、期待通り、クッと押さえた。「よっしゃー!・・・あれ?」力強くあわすも、何の手応えもない。あげるとまたもハリがない。「もしかして、フグだらけ・・・。やばい、サナギも丸貝もないぞ・・・。」しかし、そのフグの活性があったのも、釣りはじめの30分ほどで、7時過ぎからは何の反応もなくなった。7時半、1台あけた隣の櫻井渡船の筏の釣り人の竿が曲がっている。「お!チヌや。あの筏はよく釣れるし。」きっとロープがまだあるのだろうと思って、中腰でのぞいてみるが、牡蠣ロープはなさそうだった。「そっか、なくてもいますか。まあ、チヌからすれば、あんまり関係ないかも。先日まではいっぱい餌が落ちてきてたんやし、まだチヌも覚えて居残っているか。」そう思うと、ロープがないことが、チャンスに思えてきた。「大丹生の巨チヌを上げるにはこういう時しかない。ロープがないから、バラシもまずないし。」前向きに今日の条件をとらえることにした。9時、またも櫻井渡船の釣り人が釣られた。「活性はあるようやな。こっちにもチヌ来ないかな〜。」やることもないので、ゴミを根気よく撒いた。一度のアタリもなく、10時になった。牡蠣を落とし込む。着底後、糸ふけをとって、置き竿にしてボーとしていると、突然、穂先が海中に突き刺さった。「うおおお。」当然、タイミングは遅れたが、運良く魚がかかっている。ろくなあわせもできていないが、針掛かりもしっかりしてそうな気がした。しばらくして上がってきたチヌは40pオーバーの良型だった。「よっしゃ!釣れたぞ、この筏も!」アタリが大きかったので、きっと今日は魚の活性の高い日だと思った。「まだ追加できるかも。」
1枚釣れてほっとしたが、続けてアタリはでない。11時、ボケにコツンと小さなアタリ。しかし、後が続かない。2分ほどしてきいてみると穂先に重みを感じたのであわせた。結構な手応え。しかし、何かが違う。「でか!」30pオーバー、良型カレイ。大きなカレイやアイナメを見ると、外道専門さんはどうしてられるかと思ってしまう。
その後もまたアタリのない時間が続いたが、チヌが餌を見つければ、大胆に食ってくる気がした。しかし、筏下にはいないようだった。やることがないのでゴミを撒き続けたが、それが効果があるのか、ないのか。潮は朝からある程度は流れている。更に風で筏が前後に結構動いている。「なんか、餌を撒いてもポイントずれてそうやな。まあ、いいか。取り敢えず、釣り座周辺にまいとこ。それにしても、冬は特に釣り方が定まらない。どうやったら、チヌが寄ってくるんやろ。確実な方法はないやろうけど・・・。」13時15分頃にはゴミは全部撒き終えた。後はチヌがまわってくるかどうかだと思った。牡蠣の落とし込みを中心に、ボケの落とし込み、オキアミハリス団子などを試すも、全然反応はない。1枚釣れたこともあって、なんだか満足してきた。「釣れたし、まあいいか。こんなもんやろ・・・。」風が止み、晴れ間が見えていた。「そうや、遠投でもしてみるか。後少しの所まで寄って来てるチヌもいるかもしれないし。」ボケの遠投。結構飛んだ、糸を送りながら着底。糸ふけをとってすぐに、ゴンゴンと激しく穂先が揺れ、一気に穂先が突き刺さった。勝手に竿にのってくるアタリ。「うぉ、かかったぞ。いきなりあたった。いるところに、餌が行けばすごい食い方するな。」先ほどより、元気な気がしたが、ほぼ同型のチヌだった。「やった、追加できたぞ。」13時50分のことだった。
写真を撮って、今度は牡蠣を落とし込んだ。着底後、すぐにあたり。細かいアタリだが、チヌだと感じた。アタリは継続的で、すぐにあわせられるくらい入ったが、タイミングをはずした。「しまった。遅れたけどあわす?いや、まだ穂先に負荷がある。餌がついているはず。待とう。」瞬時にそんなことを考えた。そして、すぐにもう一度穂先が引き込まれた。あわした。「連発!」同型をGET。
「入れ食いか!」しかし、牡蠣での次の2投は反応なし。餌をボケに代えた14時20分。着底後すぐにあたってきた。「これはチヌっぽい。」アタリは継続してでている。細かいアタリが連続するのであわした。「今や。あれ?」のらなかった。「しまった。ボケの大きさ、考えてなかった。あ〜〜〜、もっと待たないと。」14時半、ボケで再び30p越えのカレイ。その後アタリはなくなった。「今日は、時合いというよりずっと魚の食い気はあるような感じやな。まわってきたらまだ釣れそう。」そんなことを考えていると15時、櫻井渡船の釣り人が釣られた。「やっぱり、まだ釣れる。」しかし、こちらにはアタリがでない。16時、牡蠣に久しぶりにアタリがでた。少し押さえたところであわした。「よし、のった。やっぱり今日は食いの良い日。やっときたぞ。」なかなかよい突っ込みをする、重量感のあるチヌだと思った。ところが上がってきたのは30pオーバーのカレイ。またもチヌとカレイを本気で間違ってしまった。気が抜けてしまった。「今日はもう終わりかな。日が長くなったので、まだまだやれるが、帰りの運転もあるし、17時でやめよ。」そう思った。納竿の17時になった。カレイ以降、アタリはなかった。最後の1投は牡蠣。着底直後、すぐに細かいアタリ。「これは・・・!チヌのアタリのような。」アタリはとぎれることなく、はっきりしてくる。「これ、チヌやわ。」小さくククッと入ったところでこん身のアワセ。スカ。「あ〜あ、チヌやと思うけどな〜。違うかな〜。」もうちょっとやることにした。その後も牡蠣を5,6投落とし込むが全くアタリはなかった。「チヌやったかもしれないけど、どっか行ったかな。今から帰っても8時近くなる。やっぱりもうやめよ。」17時20分、ラストの牡蠣を投下した。着底してもアタリはない。しばらくするとチョンチョンとアタリが出始めた。小さいアタリだ。「チヌか・・・、いや外道やな。」チョンチョンとあたるが、止まりまたチョンチョン、そんな断続的なアタリが20秒ほど続いた。「フグか・・・、しかし大きくもない牡蠣だが、なかなかとれないもんやな〜。」チョンチョンとまたあたった。「もう適当にあわせよかな。でも、連続して触ってこないし、絶対タイミングあわんやろな。最後やし、フグでもいいし、かけたいな。」押さえるまで待つことにした。と言っても予想ではあと何回か突っつかれると餌が切れて、穂先の負荷がなくなるだろうと思って見ていた。最初のアタリから1分は経過したと思う。チョンチョンアタリを無心に見つめていた。すると突然、穂先が海面に引き込まれていった。押さえるのを待っていたのだが、そうなるとは予想もしてなかったし、まして穂先が海面に入るほどの大きなアタリは全く考えていなかった。驚いたが、体は反応していた。「のった。間違いなくチヌや。しかも、最初の3枚より強い。」何度か強い突っ込みをかわしながら上げてくる。浮いてきたチヌを見てびっくり。「でかい。いったか!」たぶん、いつもならあわてるような引きだったのかもしれないが、ロープがないのでプレッシャーが少ない分、楽に感じたのかもしれない。計るが残念ながらどうやっても50センチには届かなかった。しかし年無しに届かなかったが、この1枚は私に釣りの新しい境地を見せてくれた気がした。年々チヌアタリの範囲を広げてきたつもりだったが、今回のアタリは私のチヌアタリの範疇には入っていなかった。どうやったら、チヌがあんなアタリを出すのかは想像できなかったが、すごい発見をしたようで、とても感動した。「牡蠣のアタリは楽しいな。あんなアタリでもチヌの可能性があるなら、次回からもっとワクワクできるぞ!」
その後、2回だけ牡蠣を落とし込んだが、アタリがでなかったので、5時半過ぎに納竿した。まだ明るかったので釣りはできたし、チャンスはあったかもしれないが、十分だった。久しぶりにスカリが重かった。陸に上がるとがじろうさんが来てくれていた。私もびっくりの釣果だったので、がじろうさんも驚いてくれた。最近、寒さのため休眠中だったがじろうさんの闘志に火がついたようでうれしかった。急いで、写真をとって1枚は自分、もう1枚はおじさんに、そして2枚は放流した。牡蠣の釣りももう終わりかも。でも、あと何回かしてみたい。
釣果:4枚(49・44.5・44・43.5p)