5月16日(日)    長浜(晴れ)

 土曜日、仕事から帰った。「疲れた。本当に疲れた。」何度も同じ言葉がでる。こんな時は海を見に行くしかないと思った。昨年、5月末に遅い乗っ込みチヌを釣った長浜に行くことにした。でも、長浜を選んだ最大の理由は、家から一番近いということだった。当日は3時過ぎに自宅を出発し、黒鯛釣り具店で、団子(小)、サナギ、丸貝、オキアミを購入し、4時45分頃、釣り場に到着した。渡船場には、長竿師がお一人おられた。5時に出船。岡本のおじさんは雁又に着くと、7番をすすめてくれた。私としては浅場の5番が気になったが、もしかしたら、もう一人の釣り人が5番でウキ釣りをするのかなと思い、何も言わずに7番に降りた。しかし、長竿師はそのまま、島に行ってしまった。「そらそうやな。この時期、わざわざ筏で長竿ふらんわな。5番にしとくべきだったかも・・・。」

       

 まずはイガイの落とし込みから始める。反応無し。釣り座で数投しても反応がないので、筏周りを落とし込む。アタリはない。そもそも、チヌがいるともあまり思ってなかったので、早々に諦め、団子を投入した。丸貝やサナギには反応がないが、オキアミにはすぐに当たる。予想通り、しばらくして釣れたのはフグだった。その後もオキアミにはアタリがでて、時々フグが釣れる。フグを隣の筏に向けて投げてストレスを発散した。6時頃、小粒の丸貝に小さなアタリ。上げるとなかった。たぶん、フグだと思うが、何もいない海、何もアタリのない状態より、期待が持てる。オキアミで集中力を保ちながら、時々、丸貝やサナギで様子を探る釣りを続けた。7時過ぎ、放置していたサナギがなくなっていた。「とられたのか?」その後、今度はサナギがかじられる。「う〜ん、チヌじゃなさそうやけど・・・。チヌかも」7時半、オキアミが上がってきた。「なぜ?フグは?」オキアミを落とし込んでみる。するとしばらくするとクッ、ククーと派手で軽いアタリがでた。外道だと思ったが、当日一番大きなアタリがでたので、今度は正体を確かめようと、再びオキアミを落とし込んだ。すると着底後すぐにアタリがでた。チョンチョンとあたりすぐに穂先を押さえ込んだところで、あわせた。「よし、かかった・・・。あれ、根掛かりか?おっ。」なぜか根掛かりが動き始めた。「こ、これは・・・。チヌなのか!」私にはよくあることだが、チヌ釣りに来てチヌをかけてびっくりしてしまった。この後は、懸命のやりとり。しかし抵抗は最初の少しだけで、あとはボラのように重いだけ。乗っ込み期の引きだ。長く感じたが、水面下でひかるのが見えた。「大きい。」そして再び直下にがばっと顔をだした。すくった。「よっしゃ、きたかー!でかいぞ。」顔だけなら、年無しだった。

       

 しかし、検寸すると50はない。残念だが、久しぶりの大型でうれしかった。「今日はいけるぞ。」そう思った。その後もオキアミの落とし込みをするが、釣れてくるのはフグばかりだった。「1匹しかいないとは考えられない。きっと釣れるはず。」団子を打ち返して、何とか丸貝かサナギでアタリをだそうと試みた。しかし、アタリはでない。10時半頃に15分ほど寝た以外は集中して釣ったが、それらしきアタリもない。筏の反対側のイガイを撒いたポイントにもアタリはない。朝方は寒かったが、気温が上がってとても暑く、少々疲れてきた。昼からは結構強い風が吹き、潮が飛び始めたが、暑かったのでちょうどよかった。風が収まったのは14時半過ぎだった。潮の流れも落ち着いてくると、今まででなかった強いアタリが底や中層で出た。何となく、夕方の1ッ発を期待させる雰囲気はあったが、いずれもオキアミでのアタリでチヌアタリの確信には至らず、明日の仕事を考えると、体力一杯やることを考えてしまった。若干の未練は残ったが15時半、納竿とした。

 陸に上がってしばらくするとがじろうさんが来てくれた。私が「暑い、暑い。」と独り言を言っていると、買ってきてくれていた冷たい缶コーヒーを差し出してくれた。生き返った気がした。缶コーヒーを飲み終えた頃、今度は佐藤さんが来てくれた。到着した佐藤さんの手には缶コーヒーがあった。二人の気遣いがうれしかった。20分ほど3人で話した。16時半前、夏の海を後にした。次回からはパラソルがいるように思った。ところで、上がってチヌの腹を触った時に、気が付いていたのだが、釣ったチヌは乗っ込みで、腹にはイガイがいっぱい入っていた。もう少し、イガイで粘ればよかったと思った。

       

釣果:1枚(48.5p)