6月18日(土)    大丹生(曇り)

 特に釣れている釣り場もなさそうなので、大丹生に行くことにした。黒鯛釣り具店で団子(小)、オキアミ、丸貝、サナギ、小ボケ10を購入し、釣り場には5時過ぎに到着した。おじさんは元気そうだった。出船は5時半、カセに乗るか迷ったが、4,5日前に筏でも1枚釣れたらしいので、筏に行くことにした。乗った筏は一番沖側の渡船場寄りの筏だった。まずはおじさんにもらった牡蠣を落とし込んだ。すぐに外道の餌食かと思ったがそうでもない。2,3個砕いて撒くとアタリが出始めた。アワセどころないアタリだ。フグかと思ったが、ハリスには傷はない。今度はボケを落とし込む。反応がないので、巻き上げようとすると何かがかかっていた。フグだった。「やっぱりフグがいるのか。」30分ほど、牡蠣やボケを落とし込むがアタリはほとんどでない。フグもたいしたことはないようだった。チヌらしきアタリも当然なかったので、6時過ぎからは団子を投入することにした。数個落としてからオキアミハリス団子を投下した。6時半、当日はじめて明確なアタリがでた。釣れたのはチャリコだった。「これからか。」次もオキアミハリス団子。しばらくするとチョンとあたる。少し間隔が空いてまたチョンと触った。「うーん、外道やな。たぶん、まだ餌は残ってるから待つか。」10秒ほどするとまたチョンとあたる。「ほら、やっぱり残ってた。お?」今度はチョンで終わらずまだしつこくコチョコチョ触っている。「大きくあたらんかな〜」穂先をジーと見ていると少し引き込まれた。「ほ!」とアワセを入れた。「うん!」なぜか竿に伝わる重量感。「何だ。ええー、大きいぞ。」ゆっくりではあるが重戦車のように左に動いていく。その動きをなんとか止めて、巻き上げにかかる。強烈なツッコミはないのだが、常に引いているような感じがする。「チヌぽくないな〜。ただ重いだけ。でも乗っ込みのチヌはこんな引きやしな。まだまだ乗っ込みも釣れているし。でかいチヌかも。」そんなことを考えながら、やりとりをするが中層ぐらいで筏下に入られる。糸をひっぱりだされないように耐えるが、しばらくするとロープにすれている感触がした。あかんかも。」そして穂先がはねてしまった。「うーーん、残念。あかんな〜。何やったんやろ。大型のチヌやろな〜。釣りたかったな。」

 ばらしたのは残念だったが、チヌがいるとわかっただけでも、やる気がおきた。再び、団子を投入し、次を狙うことした。オキアミハリス団子投入。反応がないので、今度は牡蠣を落とし込む。するとクッと強く引き込むの大きなアタリがでた。乗らなかったが、まだチヌが居そうな気がした。しばらくすると再びチャリコが釣れた。「きそうな気がする。」ところが、今にも釣れそうな感じがしたのはここまでだった。7時半ぐらいから何のアタリもなくなった。オキアミですら無傷で延々上がってくる。13時までの間に釣れたのは、海毛虫2、ハオコゼ2、テテカミ1だけだった。真冬の海の外道達だった。「あかん、寝よ。」

 13時半、眠りから目覚めると放置していた竿が海に落ちかかっていた。巻き上げると当日初めてサナギが食いちぎられていた。「まあ、何ということでしょう・・・。」ビフォーアフターのセリフが聞こえてきそうな思いだった。寝ている間の状況が思い浮かぶだけに残念で仕方なかった。「なんでこんな時に。また、がんばればチャンスあるよな。」そう思って打ち返した。様々な餌を根気よくローテーションするが、全く触りもしない。それでも夕方が勝負と思ってがんばった。16時を回っても変化はない。17時には筏群には私一人になった。17時半、団子をすべて投入した。18時には防波堤の釣り人もすべて帰った。そして沖を見ながら、「神田川」を口ずさんだ。なぜか、あのような情景にあこがれて、大学は地元を離れた。まだまだ前を向いて進まないといけないのだろうが、あの頃を思い出す。もう大学生はやれないが、旅をしてみたい。知らない世界を見てみたい。釣りに行くと、よくそういう気持ちになる。18時半、竿を納めた。

 迎えの船にはがじろうさん親子が乗っていた。がじろうさんの息子に「和田さん、釣れた?」と聞かれた。「完璧な質問だ。」と思った。いつになったらお魚をお見せできるかわからないが、また釣りに来ることだけは約束した。当日であるが、朝一に防波堤で大型が落とし込みで2枚上がったそうだ。今度こそ私も大きなチヌを釣りたい。

釣果:次は久しぶりの遠征