12月1日(木) 長浜(雨)
大丹生で2度の完封を食らったので、今度は確実にチヌのいるところへ行こうと思った。オッチャンさんがよい釣果を出されている長浜に月曜日に電話した。すでに7.8番は予約が入っているらしく、6番を予約した。しかし、釣り場は確保したものの、次は天候が怪しくなってきた。前日の天気予報では木曜日は1日雨。さらに北東の風が5〜7メートル、気温は10℃以下。「無理か・・・。」とりあえず、岡本渡船さんに電話して様子を聞くと、「北東の風ならなんとかなる。」とのことだった。また8番のお客さんがキャンセルになったので、そこをおさえてくれているそうだ。「うーーん。この流れは行けということか。」
当日は4時過ぎに自宅を出発した。結構風が強い。黒鯛釣り具店に着くと、マスターが「和田さん、いつも天気のよい日にあたりますね。」と声をかけてくれた。「平日に休みが取れたので、とりあえず行ってみます。」マスターに激励されると釣れる気がした。オキアミ、サナギ、小ボケ10、団子(中)を購入し、長浜には6時半ごろ到着した。そして小雨の中、7番の2人の釣り人とともに出船した。「一人でなくてよかった・・・。」筏に着くと釣り座を北向きに構えた。風を正面から受けるが、こちらが好調らしいので仕方がない。いつもの方向は根掛かりが激しいとの情報も聞いていたので、なおのことだった。まずは小ボケを落とし込むが、外道に食われた。3匹連続撃沈。早々に団子投入。サナギは時々カワハギにかじられるが、ほとんど反応がないので、オキアミをメインに釣った。さすがにオキアミハリス団子では、すぐにやられるので、団子に包むことが多かった。最近はオキアミでの団子釣りなど、ほとんどしたことがない。団子が割れるのを待つ時間が退屈だし、団子に撒き餌とともにオキアミを包むのも面倒くさかったが、釣りたかったので根気強く頑張った。オキアミへの反応だが、すぐに取られたり、少し穂先に変化が出て取られたり、皮だけ残ったり、無傷で上がってきたりした。どちらにしてもチヌの気配は全く感じない。外道としてはアジ、カワハギ、フグ、チャリコが釣れた。天気の方は強風がしばらく吹くと止み、釣りやすい時間があり、今度は雨が降る。そしてまた強風を繰り返した。潮は右に左に頻繁に変化し、特に湾口に向かって流れる時は、相当強く流れた。釣りにくい条件が重なっていることは確かだが、決して釣りにならないことはなかった。なのに「アタリがない。全然釣れない。」だんだん集中力が落ちてくると、朝から頭上で訓練を続ける海上保安庁の2機のヘリコプターの爆音が耐えられなくなってきた。「うるさーーーい。」
昼からは雨と風のセット攻撃にさらされた。でも、14時ころから変化があると思って耐えた。13時、ふと横を見ると何かが違った。「うん?・・・タモがない。」風で飛ばされて、海に沈んだようだった。「あ〜あ、大事にしてたのに。」予備のタモを出して釣り続けた。しかし、いくら打ち返しても、チヌの気配すら感じない。時刻はとうに14時回っていた。「ほんまに全然やな・・・。どこへ行ったら釣れるんやろ。もう牡蠣のシーズンまで釣れへんのとちゃうかな。」もう打つ手がなかった。朝の小ボケの残りがもったいないのでつけた。団子が割れないので、糸を手で引っ張ってぬいた。「まだつてんのか?」持ち上げると重みを感じたので、少し右にずらして放置する。しばらくするとコンとあたって、竿を持つとクッとお辞儀した。咄嗟にあわすとのった。「何?ちょっと引くな。カワハギじゃないし。ヒラメでもない。やっぱりチヌか。」強さがないので、緊張感はない。しばらくして上がってきたのは、黒いチヌだった。うれしいというより「ふぅ〜」って感じだった。
何の前触れもなく釣れたが、いよいよこれからスイッチが入るのかと期待した。ところがすぐに潮ががんがん流れて釣りにならなくなった。そして、15時に釣れたのはタモだった。自分のだったらよかったのだが、他人様のものだった。その後も天候は厳しさを増し、我慢大会の様相を呈した。そして、7番の方が帰られる16時半、私も納竿した。なんとか1枚釣ったということだけで、特別な思いはなかった。ところで8番筏だが、タモを落とした当人が言うのも、おかしいかもしれないが、底荒れがきついように思った。当日もタモ以外にサビキかごや昨年に落下した巨大な牡蠣の塊などが上がってきた。きっと底には切れたハリスなどが結構浮遊しているように思う。もちろん、ずっと好調だったので、チヌはいるのだろうが、釣り座の位置を考えないと、チヌの食うポイントが狭くなっている気がした。雨の中、がじろうさん親子と少し話し、帰路についた。どんよりと曇った灰色の空が、冬の舞鶴らしかった。
釣果:1枚(35p)