8月6日(月) 大丹生(晴れ)
前回の大丹生はあまりに厳しかったので、今回はもっと釣れる確率の高い釣り場に行こうと思っていた。ところが前日に海坊主さんより大丹生筏でのチヌ目撃情報が寄せられた。せっかくの情報なので、行き先を大丹生に変更し、もう一度勝負することにした。当日は5時前に黒鯛釣り具店に着き、団子(中)、サナギ、丸貝、氷を購入した。釣り場に到着すると、ちょうどおじさんが出て来られた。挨拶をして、出船。昨日も2枚筏で上がったそうだ。乗った筏は前回と同じ、筏群の真ん中の筏だった。まずは期待を込めて、イガイの落とし込みから始めた。反応はない。5時20分から6時40分までの1時間半やったが1度のアタリもない。イガイの半貝だと、落とすとすぐにとられる。表層には小アジが見える。魚の活性自体は高そうなので、団子で勝負することにした。団子を数個落としたのち、サナギハリス団子を投入した。すると10分ほどで泡が上がり始めた。ボラが早くも登場したようだった。その後団子への細かいアタリやサナギを突くアタリもでてきたが、餌がかじられることはない。チヌアタリはでないが、この流れでいけば釣れると感じた。
しかし、8時になり、9時になっても状況に進展はない。「なぜ?チヌが釣れない状況には思えない。場所のせいか・・・。チヌの活性も高いと思うけど。もしかして、防波堤のカセなら釣れるかも。場所を代わる?いや今日は筏で釣るのが目的。大丹生の時合いは10時頃が多い。がんばろ。」迷いや後悔が頭をよぎった。相変わらず、サナギやイガイを触る魚はいるが、決してかじられたり、とられたりしない。敢えてチヌの気配を探すなら、穂先が一瞬押さえられたことが1回あったことと、穂先への糸のからみをなおしているとき、中層でイガイに触ってきたことだった。時刻は10時半をまわった。「今日はあかんかも・・・」そう思えてきた。ただ、昼間に1発大物がくることもあるので、がんばった。時刻はそろそろ11時になろうとしていた時、突然、チョンチョンとあたった後、クィと穂先が入った。反射的にあわすと何かがかかった。首を振っているようだが、軽い。「シマイサキか?」海面を見ていると、なんと上がってきたのはチヌだった。29pだったが、大丹生で釣れてほっとした。そして前日にビッグフィッシングを見ながら、釣れたチヌを「ちいさ」と言って批判していた自分を思い出して、思わず苦笑した。その後、11時20分にサナギハリス団子が着底すると同時に穂先が突き刺さって34p。11時50分に35p。そして12時15分に団子から切れたサナギが押さえられて31pを追加した。どのアタリも非常にはっきりしたものだった。明らかに時合いだったのだが、釣った以外にはかじられたり、とられたりするアタリはなかった。そういう意味では気配ムンムンというほどではなかった。
12時半頃からは魚の活性も下がり、時合いは終わってしまった。型には満足できなかったが、複数枚釣れたので、今後の大丹生に期待が持てることを感じられたのはよかった。当日も早目にやめるつもりだったが、夕方にもう一度きっと時合いがくると思ったので、粘ることにした。早ければ2時半くらいには時合いになると予想していたが、特に変化はない。そして時刻は3時半を過ぎてしまった。「どうしよう。絶対時合いがくると思うけど。もしかして夕まずめか・・・。うーん、体力的なことを考えると、あんまりおそいのもな〜。それにこの型やし、そこまで粘る価値があるのか・・・。」関電の従業員の帰宅ラッシュになる前には大丹生を後にしようと考えた。「16時半にはやめよ。」時刻は15時50分だった。同じようにサナギハリス団子を落とすと、いきなりボラの団子アタック。「おおー、いきなり活性がヒ-トアップするな〜」そう思って穂先を見つめているといきなり穂先が押さえられた。「よっしゃ、きた!手応えからすると今までのと違い、良型や。おお、うぉーーー」良型とは思ったが、一呼吸おいてものすごい引きが始まった。引くというより突っ走る。止めようとするが、止まらない。無理に止めると竿が折れるのではないかと思わせる強烈な引きで、魚は休むことなく右に走った。私も竿を持って筏を右に動いた。そして、やっと最初の引きが一段落したと思った時には、隣の筏のロープに糸が絡まって万事休すだった。「巨チヌやった・・・。このために2.5号にしているのに、どうしたらよかったのか。」びっくりしたのと同時に、後悔が残った。「次は道具壊れても強引いこう・・・」 やめようと思っていたが、悔しかったので続けた。16時15分、サナギで36pを追加した。その後も怪しいアタリが何度かあった。一度目の時合いよりチヌの気配を感じたが、17時前には団子がなくなり、追加はこれ1枚だけに終わり、17時20分納竿とした。当日は久しぶりに大丹生で楽しく釣りができた。ただ返す返すも巨チヌとの勝負が残念だった。次の機会には上げたい。
大丹生を後にした17時半過ぎは、まだ日差しも強かった。ヒグラシが鳴いており、あと1時間もすれば、私の好きな漁村の夕方を味わえたかもしれない。昔は日没直前までやって、おじさんに船のライトをつけて迎えに来てもらっていた。今はそこまでやることはなくなった。「でも今度はもっと遅くまでやってみようかな。その時は朝はしっかり寝て、10時釣り開始かな。」
釣果:5枚(36・35・34・31・29p)