8月23日(木)    大丹生(晴れ)

 大丹生に行くことにした。黒鯛釣り具店で団子(中)、サナギ2袋、丸貝少々、氷を購入し、釣り場には5時過ぎに到着した。おじさんがちょうど先客を一人、防波堤に送って帰って来た。「電話してから、きてや。」とおじさんが言った。電話せずに来ることはよくあるが、どうも最近お客さんがおらず、今日は休むつもりだったらしい。先客も電話してなかったらしい。ついでにあとからも一人来られた。私も含め、みなさん適当かも。ところで釣り場であるが、当初は土曜日釣行で筏のつもりだったが、平日に来たので防波堤には先客が一人おられるだけだったので、カセに乗ることにした。

 カセに到着すると、まずイガイを撒いて落とし込みを始めた。アタリはでない。あまりイガイには期待してなかったので、30分ほどで諦め、6時頃からは団子釣りに切り替えた。サナギハリス団子投入。2,3投するが無傷で上がってくる。さらに海草がからまってくる。根掛かりするような場所は釣れないと思っているので、釣り座を1メートル半ほど動いた。すると今度はアタリこそよくわからなかったが、サナギがかじられて上がってきた。3投ほど同じ状況が続いた。「突いているのはカワハギ。でもサナギが外道にかじられるような活性の時は、チヌも釣れることが多い。」そう思って次もサナギハリス団子を投入した。すると着底直後にコンコンと強く突くアタリがでた。「おお!」と思った次の瞬間、穂先が押さえられた。「よっし、かかった。うん、結構引くぞ。」魚は2度、3度と引き込む。良型のようだった。立ち上がって必死でやりとりすること1,2分、海底からゆら〜と姿が見えた。思っていたよりは小さく見えたが、40p弱ぐらいに感じた。チヌは完全に弱っており、脳しんとう状態のようだった。1回転して真上を向いた。「えーーー」穂先が跳ね上がった。ハリが外れたのだ。たぶん歯にひっかかっていたのが、チヌが上を向いた時に外れたのだろう。しばらくただよった後、正気にかえったチヌは底に潜っていった。「やってしまった、朝一バラシ。以前はお約束やったけど、最近はなかったのに・・・。痛いな〜。」嫌な予感がしたが、時刻はまだ6時半だった。チヌがいることがわかったのだから、必ず釣れると思ってやることにした。ところが予想外のことが起こり始めた。非常に細かいアタリでサナギが皮だけになったり、とられたりしはじめた。カワハギの活性が非常に高い。団子に包めば、いいのだが経験上、カワハギとの乱打戦のなかでもチヌアタリがでるので、ハリス団子を続けた。事実、9時頃までにあわせられるアタリが数回あったが、ことごとく外した。引き込まないチクチクした外道アタリにイライラし、たまのアタリを逃すいけないパターンだとわかっていたが、修正できなかった。「朝一バラシはあかんな〜。トータルからのマイナス1ではすまない。うまくやっていれば、いまのような少ないアタリでも2,3枚釣ってるかもしれんし・・・。」そして、状況はカワハギ一色になってしまった。状況が変わり始めたのは12時頃だった。チヌアタリでないが、ほとんどアタリなく餌がかじられていたのが、穂先にそれなりに反応が出始めた。もちらん、チヌアタリではないが、外道でも強く突く状況の方がよい。ただ、あまりの暑さのため13時にいったん上がることにした。

 14時再び筏に戻って釣りを開始した。すぐに外道の活性が上がり、サナギがなくなるようになった。「ここまで、サナギがもたないと厳しいな。予想外や。」団子に包んで、自然と割れるのを待てば、カワハギに見つけられず、サナギが残ることは何度か試してわかっていたが、それでもハリス団子の乱打戦の方が、じっくり待つよりよかった。当日は流れが悪いのを変えられなかった。15時、何度か使ったが1度も反応がなかった丸貝を落とし込んでみた。すると着底と同時に押さえた。失敗・・・。その後しばらくして、今度はサナギの2個掛けの落とし込みにも大きなアタリ。また失敗。「うーーーん。全然あかん。チヌアタリのような気がするけど。もう少し活性があがらんかな〜。」

 16時からはボラの団子アタリが出始めた。「いよいよか!」期待したがチヌアタリはでない。「そばにいると思うけど・・・。」ずーと我慢してきただけに、根気がもたなくなっていた。チヌアタリがでないので、、逆にボラの団子アタリが嫌になる。16時50分、微妙なアタリにあわした。強烈な引きだが、上がってきたのは巨ボラだった。「希望的観測であわせてもやっぱりボラやな。しっかり見極めよ。」そう思って、サナギハリス団子を投入。すると着底同時に穂先が突き刺さった。「よっしゃ!これはチヌアタリやろ。手応えもある。うぉ!」ばれた。「うーーー、あかん。」がっくりしたが、時合いかもしれないと思い、すぐにまたハリス団子を投入。するとすぐにアタリ。カワハギではないしっかりしたアタリ。「よっし。」何かかかった。上がってきたのはなんと手のひらサイズの小チヌだった。しかもスレ。「うーーん、なんなん、これ。」すぐにリリースして次を狙う。しばらくして明確なアタリ。かかったが、また小さい。今度は同サイズのチャリコ。「状況は変化している。次こそ!」ところが、アタリはなくなり、カワハギ天国の逆戻りしてしまった。「なんでやねん。」チヌを釣りたいという執念で粘ってきたが、さすがに疲れた。17時40分、おじさんが見回りに来られたのを機に竿を納めた。久しぶりに空回りの何を狙っているのかわからない釣りになってしまった。残念だった。

 おじさんに挨拶して帰路についた。吹き出す汗のなか、悔しい気持ちでいっぱいになった。次の日にでも釣りに行きたい気分だった。「大丹生はなかなか釣れないが、燃えるものを与えてくれる。」そう思った。舞I市街まで来た時、ふと遠景が気になった。綾部方面の上空に黒い雲がかかっている。異様に感じたのは稲光だった。一度に2.3本見える。更にすごく短い間隔で光っていた。気にはなったが、帰り道は一つしかないので進んだ。予想通り舞Iと綾部の境目辺りから雨が降ってきたのだが、すごい雨だ。高速ワイパーでも道が見えない。たぶん夜だったら、絶対進めない雨の激しさだった。おまけに雷がすごい。車には落ちないとわかっていても怖かった。たまではなく、連発で爆音が響いた。車を止めたかったが、下手なところに止めて土砂崩れにあっても仕方ないし、川のそばに止めることも嫌だったので、前にすすんだ。やっとの思いで綾部市街に入ったかと思うとすぐ近くに落雷。すると前方の商店や家が真っ暗になった。信号も消えていた。疲れ切った。綾部より先の道がどうなっているか、とても不安だったが、幸い綾部を抜けると雨は小降りになった。体験したことのない天気が最近は多い。自然の中で遊ぶことは多少の危険を伴うものだが、より注意が必要だと思った。海も怖いが川がもっと怖いと思った。おそらく、あの日綾部の下流の舞Iの川は急に増水したと思う。しばらく、渓流には行っていないが、もう少し行かないでおこう。それに筏でも、変な雲がでてきたら早目に撤退しようと思った。

釣果:チヌが釣りたい。