2月5日(日)    長浜(晴れ)

 オッチャンさんの釣行記を読んでいると長浜に無性に行きたくなった。最近は夏はイガイで冬は牡蠣。オーソドックスな団子釣りをする機会も減ってしまった。なおのこと、この時期にサナギで釣れることを知ると惹かれるものがあった。当日は午前5時に出発した。大雪後の道路事情がよくわからなかったので、和知から高速に乗って東舞鶴まで行き、黒鯛釣り具店で団子(小)、オキアミ、サナギを購入し、釣り場に向かった。予想はしていたが、舞Iは一面の銀世界で、道路脇には雪が積まれ、まるで大雪爆弾を落とされたような感じがした。釣り場に到着するといつもの駐車場は雪に埋もれており、駐車場所が限られて少し難儀はしたが無事駐車して、7時半頃出船した。2人組の方が5番と7番に分かれて乗られたので、私は6番に乗ることにした。まずはイガイを落とし込んでみた。「いきなりイガイに反応してくれるとうれしいけど。・・・あかんか。」しばらく、やってみるが、アタリがないので、団子釣りに切り替えた。オキアミハリス団子を投入。反応がないので、上げるとオキアミが無傷で生還してきた。しばらく、打ち返しを続けていると、2匹ほどフグが釣れた。しかし、事前に予想していたほど、外道の活性は高くない。オキアミを団子に包まなくても十分釣りになる状況だった。根気よく打ち返すが、いつまでたっても外道の活性すら上がらない。天気は晴れて、寒さは感じない。絶好の釣り日和だ。嫌な予感がした。「よかったのは天気だけ〜。」パターンだ。さらに追い打ちをかけたのが、早い潮だった。長浜で団子がゴンゴン流される中でよい釣りをした経験はほとんどない。潮の緩む時間帯には特に集中するが、ほとんどの時間は湾口に向けて強く流れた。

 両脇の釣り人も暇そうだった。状況が悪いのはわかっていたが、なぜかドキドキ感はあった。昨日もオッチャンさんがよい釣りをされたのは、船頭さんから聞いていた。チヌが確実にいる釣り場で、竿を出していること自体が楽しかった。オキアミにすら、反応が少なかったが、ときどきサナギも使った。もちろん、ほとんどの場合が無傷で戻ってきたが、12時と15時の2回だけ、サナギにアタリがあった。あわせられなかったので、あたったのがチヌだったかはわからない。ただ、11時半と16時前に5番の釣り人がチヌを上げられたことを考えると、その時間帯が時合いだったように思う。来る前は釣る気満々だった。そんな強欲なことを考えている時は往々にしてやられる。結局1日を通して、大きな変化を感じることなく、納竿をむかえてしまった。

 しかし帰りの船の中、惨敗だったが心は穏やかだった。1枚も釣れなかったのだから、満足したからではない。ただ、1日粘って納得できた。「釣れない日もある。」「釣りはそんなに上手くはいかない。甘くない。」と。陸に近づくと、駐車場で雪合戦をしているがじろうさん親子が見えた。舞Iにとって災難だった大雪を、親子の姿が温かいものにしていた。

 陸に上がってがじろうさんとしばらく話した。「2桁釣る気で来た。」と話すとがじろうさんが苦笑いしていた。17時半、がじろうさんと別れて帰路につこうとした。ところが車の後輪が空回りして前に進まない。「やばい。雪質がかわってスリップしている。これでは帰れない。」先に駐車場を出ていったがじろうさんに急いで電話した。「車がでられへん。ちょっと助けに来てくれへん。」「今戻ります。」もう一度、アクセルを踏むが脱出できない。「あかん、がじろうさんに押してもらうしかない。」あきらめて、がじろうさんを待つことにした。あきらめると少し冷静になれた。「?・・・?あれ、この赤い印は・・・。サイドブレーキ。サイドブレーキがかかったままなのか?」はっきりした記憶は残ってないが、無意識にサイドブレーキを外す動作を足がしたのだろう。車が前に進んだ。そこにがじろうさんの車が戻ってきてくれた。急いで戻ってきてくれたがじろうさんに、「はははは。サイドブレーキがかかってました!」という勇気はなかった。とにかく、がじろうさんにお礼を言って帰路についた。「それにしても雪はこわい。冷静な判断を狂わせるもんな。・・・・・・・言い訳やめます。がじろうさん、すみません。私が間抜けでした。」

釣果:もう一度挑戦したい。今度はもっと研究して臨みます。