3月27日(火) 吉田(晴れ)
今シーズン、ラストの牡蠣での釣りをしようと思った。理由は団子が嫌だったのと、周囲から残り牡蠣が欲しいとの要望があったからだ。山弘渡船、西田渡船では、すべて引き上げが終わっていたが、、さがね渡船ではまだ残っているとのことだったので、前回に引き続きお世話になることにした。当日は途中でボケを10匹買って渡船場には6時半頃到着した。7時前に出船し、まずは牡蠣ロープをカセに引き上げた。釣り場所はおじさんにお任せすると伝えると、おじさんは前回と同じところに連れて行ってくれた。筏の端には前回同様ロープが6本ほど残っていた。牡蠣の引き上げ自体は終わっている筏だが、カセの釣り客が餌を落としているだろうと思った。まずは、牡蠣ゴミを撒く前に、居残りを狙って牡蠣を落とし込んだ。反応はない。もう一度牡蠣。ボケ。牡蠣ゴミにいたゴカイ。どの餌にも何の反応もない。牡蠣掃除を開始した。大きなホヤやイガイはカセの背後に放り込み、細かいゴミは桶にためて一気に釣り座に撒いた。8時半頃までに、2回ほど牡蠣掃除を行った。状況に変化は現れない。8時50分、牡蠣を少し上に誘って落とすと、すぐにチョンと微かに触った。「お!初めてなんか触ったぞ。」30秒ほどするとまたチョンと微かに触った。「うん?チヌにしてはアタリに間があるな〜。でも、警戒してるのかもしれへんし、はっきりしたアタリまで待ってみよう。」30秒ほどまた経過した。クッと今度は先ほどより、はっきりしたアタリがでた。「押さえろ!」と念ずると、穂先がクウーとお辞儀した。「のった!おおおー、強い。」必死でやりとりする。魚は何度も突っ込む。大型を確信したが、突っ込まれるたびに穂先がはねない上がらないか心配だった。そして結構長く感じたやりとりの末に、やっとの思いで上げてきた魚をすくった。「やった。ええ型や。年無しあるか?」スケールで計るが、少し足りないようだった。でも、満足の1枚であることに変わりはなかった。
チヌの写真を撮った後、再び釣りを再開し、牡蠣を落とし込む。するとすぐに明確なアタリ。「おー、時合い突入か。来るぞ連発!」舞い上がってしまい押さえるまでにあわせてしまった。「しまったー。うん?ハリスに傷・・・。フグか。」すぐに牡蠣を落とし込むが反応はでない。「あかんか。」背後の筏に上がってロープのない筏の中を釣ってみる。1度アタリがあったが、ハリがなくなったのでフグ。またカセに戻ってまた落とし込む。アタリはない。暇なので、牡蠣作業開始。30分間隔ぐらいで作業をした。そして11時半には9割方ゴミは撒いてしまった。その間のアタリは1度。ハリがなくなったのでこれもフグ。「チヌが釣れてから、フグが3回あたっただけか・・・。」
12時、フグのアタリがあった筏の中を釣ろうと再び背後の筏に上がって、牡蠣投入。「触った!」と思ったら、すぐに着底。そしてスゥーと穂先が入っていく。あわせた。結構な重量感。「よし、きたぞ。」魚は筏の端にわずかなに残ったロープへ走った。糸の角度から考えると、いつロープに引っかかってもおかしくなかったが、巻き続けた。やがてギラッと光ったかと思うとまるまると肥えた良型が姿を見せた。牡蠣を投入した隣の隙間からタモ入れをした。「よっしゃ、うまくいった。こんなとこにいたのか。フグのおるところはやっぱりポイントやな。」
連発を期待して、もう一度牡蠣を落とすが、反応はない。あきらめてカセに戻って、ひたすら牡蠣を落とし込む。しかしこちらも全く気配を感じない。「うーーん、あたらんな〜。でも、あたればアタリははっきりでる。冬場に食ってくるチヌは、活性が高いし、途中でやめへんからかな。」2枚釣れているので、アタリがなくても落ち着いて釣り続けた。時間は経過していった。1度もアタリがでないので、14時半、またも背後の筏に登った。牡蠣投入。1分ほど経過した時、穂先にアタリ。「おお!」と思っていると、今度もはっきり押さえた。「かかった。うーん、これも結構強いぞ。」やがて浮いてきたチヌはまたも良型だった。突然のアタリだが、あわせやすいものだった。
今回も連続したアタリはなかったので、夕方の時合いに備えて再びカセに戻った。1時間が経過し2時間が経過したが雰囲気はない。「もう16時半をまわっている。12時頃よりほとんど牡蠣ゴミは撒いていない。必ずしもカセ下がポイントとは限らないな〜。やっぱり筏の中か。12時に釣れて、14時半に釣れた。ということは次は17時か。そろそろまたやってみるか。」また筏に上がった。牡蠣を投入した。1分が経過し、2分が経過してもアタリはない。用をたすことにした。するとよくある話だが、めったにないことが起こった。「うお、あたった!」急いでチャックをしめる。竿を持つためかがむと、穂先が引き込まれた。「おお、またも突然。」強い引きだが3度目なので、慌てずやりとりできた。上がってきたのはまたも良型だった。隣の筏で作業中の漁師さんに祝福された。
「もう1匹おるよ。」という漁師さんの声で再び牡蠣を落とし込む。するとすぐにコツと強いアタリ。「ほんまにきたぞ!」身構えて本アタリを待つ。「こい!・・・・・?」アタリが続かないので、上げるとハリがなかった。「フグとチヌは紙一重やな。」その後、17時40分までやったが、アタリがでなかったので納竿した。陸に上がって、片付けを行い、吉田を18時20分後にした。当日であるが、私のすぐ前の筏でも11時頃、良型があがっていた。私としても4回のアタリをすべて釣り上げることができたので、上出来な釣りとなった。
帰り道は中島みゆきの曲を聴きながら帰った。今の職場に来て11年が経った。この職場での最初の7年間に同じ部署となって仕事をした同僚は今は一人も残っていない。取り残されたような寂しさを感じながら、また1年が始まっていくことを想像した。
釣果:4枚(48.5・45.5・45・45p)